5#出会
僕は鼻でその丸い物をつついてみた。何だかフワフワしていた。嗅いだことのない、いい匂い。
僕の大きな鼻の穴で丸い物をもっと嗅いだら、鼻に吸い付いた。フン!と鼻息を吹くと、フワッと丸い物が舞上がった。
面白い!僕は鼻で丸い物をぽ~んとついた。舞降りる丸い物。またぽ~んと鼻で上げて、ぽ~ん。ぽ~ん。
鼻で丸い物を突き上げる度に、いい匂いがバウンドする。
つい丸い物を突き上げそこねて、丸い物が地面に落ちて、転がった。
バウンドしながら転がっていく丸い物を、僕は追いかけた。その瞬間、丸い物は・・・
パン!
と割れてしまい、小さいボロ切れみたいな物になってしまった。
僕は、余りもちょっかい出しすぎたから、嫌になって弾けちゃったんだ。と割れた丸い物の機嫌を直そうと鼻で、探った。割れてもいい匂いだ。
でも、機嫌を直そうとしても弾けたままの“丸い物”。僕はまた自分のせいで、またひとり犠牲にしてしまった・・・
僕は割れてしてしまった“丸い物”を口で拾いあげ、わあわあ泣き始めた。
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