第20話 元Bランク冒険者


謎だ、本当に謎だ。なぜこうなった


ヒシン「…もうちょい、俺にわかるように説明してくれね?」


そう言いながらヒシンは訓練場の壁際に座った


~訓練場~


デンドは右手に長剣を持った状態で


デンド「これで君が私に勝てば不問にする」


と言うが、周り(訓練場の壁際)の護衛はどうしたのだろうか


エルサ「周りの人は?」


デンド「ん?護衛のことか、やつらじゃ君には勝てん。」


エルサ「死ぬよ?」


その言葉で護衛は動き出したが


デンド「止まれ。死にたいか。」


デンドは構えながら言った


エルサ「武器はどうしようか。」


デンド「君に武器はいるのかい?」


エルサ「いらないけどほしいかな。」


エルサは右の手のひらを上に向けて前に出した


デンド「剣でいいか?」


デンドは聞いたが目の前の光景に目を見開いた


エルサのその手の上には1つの大鎌があった


デンド「…何をした。」


エルサ「作った。」


その鎌は真っ黒だったおそらく有るであろう刃の部分まで黒で塗りつぶされていた


デンドは理解ができなかったが今は違うと、頭を降って考えを消した


デンド「…いいか?」


デンドは抵抗しなければ死なないだろう


エルサ「いいよ。」


エルサは鎌を上段で構えた


デンドは駆け出したがそれが間違いだと気づいたときにはもう遅かった

踏みとどまった瞬間


エルサ「…殺さない。」


エルサはデンドの首に鎌をかけたまま後ろに立って言った


デンド「…降参だ。これは無理だ、搦め手を使っても無理だな。」


正確にはデンドには弱点が分からなかった。一瞬で決まったのだからそうだが、これまでの戦いの経験からも予想ができなかった


エルサ「不問。」


鎌を消しながら言った


デンド「あぁ、不問にする。文句無しだ。と、言うよりそうしないと困る。もし、君を捕まえようとしたら皆死んでしまう。」


エルサ「よく分かってる。」


デンドは頷き


デンド「さあ、お前ら見たろう?元Bランク冒険者が何もできなかったんだ他言無用でこの事件を治めて諦めろ。それでも納得できんのなら…君に任せるよ。」


エルサ「なにしてもいいの?」


デンド「ああ、いいよ。」


デンドは訓練場から出ようとして


デンド「エルサさん、後で私の部屋に。ヒシン君はアーネが起きるまで見ていてくれないか?」


エルサ「ついてく。」


ヒシン「…分かった、何がなんだかわからんから、なんでこうなったか後で教えてくれ。」


デンド「分かりました、ヒシン君は夕食の後に来てください。」


ヒシン「りょうか~い。」


デンド「さて、戻ろうか。」


皆護衛を含めデンドに続き訓練場を出た

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