モンスターを魔法陣から召喚したりしないで、一体一体スカウトしてこないといけないというシステムが大変素晴らしいです。
ダンジョン防衛物の小説では、たくさんのモンスターを登場させないと迫力が出ないので、序盤以降、モンスターは「ゴブリン軍団行け!」みたいな軍隊扱いにされてしまったり、名前がついたとしても「ゴブリンA,B,C,D」みたいな扱いにされがちです。
この小説では、そんな便利すぎる仕組みが登場しないので、モンスターは一体一体スカウトしてくる必要があります。それぞれについて待遇を決めて契約して、給与も払って、場合によっては他の迷宮からモンスターを移籍させてきたり、自分の迷宮のモンスターをレンタル移籍させて移籍金を入手したり...
サッカー選手かよといいたくなるような手間をかけないとモンスターが集まらないルールなので、登場するモンスターにはみんなちゃんとした名前が与えられていて、一人ひとりに物語があります。奥さんと子供を食べさせるために給与交渉するスライムとか、どんだけ愛らしいんですか。
これまでのダンジョン防衛物とは違った切り口で、大変面白かったです。いっぱい誤字指摘を投げちゃったけど、めげずに次を書いていただけることを期待しております。