翔べ!Gスキラー
知れば知るほど、仮想通貨は安全で、そして儲けられるように見えるのです。
ではなぜ、その頭のいいはずの人たちが、仮想通貨詐欺に騙されてしまうのでしょうか?
(尻鳥雅晶「たった1000文字で、貴方は絶対騙される)」より引用)
私がまだ30代のころ、魔法を使ったことがあります。
ある日のこと、お得意さんの奥さんが家業の店にやって来ました。
そして、私に1個のアクセサリーを差し出して、こう言ったのです。
「これに盗聴器が仕掛けられているのよ。電波が出てるから、うるさくて眠れないの。どうしたらいいかしら」
お気の毒にも、その奥さんは心を病んでいたのです。
私はしばらく考えました。
盗聴器なんてあるわけないし、電波が音を出すわけもない。だいたいこんな小さなものに誰がいつどうやって仕掛けたのか。全部貴方の妄想である……
そう言うのは簡単です。でも、それで何かが変わるでしょうか?
奥さんは安心するでしょうか?
そこで私は、コップに水を1杯くんで、こう言ったのです。
自信満々の口調で。
「こういうものには、小さな電池が使われているんですよ。その電池が放電してしまえば、盗聴器は動かなくなります。だから、こうやってショートさせればいいんです」
真面目腐った顔で、私はアクセサリーをコップの水に浸し、ハンカチで拭いて奥さんに差し出しました。
「確かめてください」
奥さんはアクセサリーを耳に当て、微笑みました。
「ホントだ、もう音がしない!」
こうして私は、もともと「ない」ものを、壊すことに成功したのです。
核兵器でも、いや、科学がいかに発展したとしても、「ない」ものを壊すことはできません。科学でないとしたら、これは魔法です。
そう、そのとき私は、確かに魔法を使ったのです。
さて。
私は常々、「霊能力」、そして「霊能力者」が、世間から正当に扱われていないことに憤慨していました。
「ある」のか、「ない」のか、という低次元の話をしているのではありません。
その実在が疑われているものなど、世の中にはいくらでもあります。
霊能力はそれらのあやふやな存在と比べて、あきらかに正当に扱われていないのです。
世間の態度に問題がある、と私が考えるポイントは、次の5つです。
1. 反証が正当ではない
2. アカウンタビリティーを強制している
3. 何でもできると思っている
4. 正しく信じていない
5. 要するに舐めている
では、これらの点について、ひとつひとつ述べていきたいと思います。
※ご注意 このテキストにおいては、いわゆる「霊能力」のことを「ゴースト・スキル」と呼称しています。この回ではさらに、「ゴースト・スキル」を「Gスキル」、いわゆる「霊能力者」を「Gスキラー」と略称します。なお、このGスキルには、いわゆるスーパーナチュラル・パワーやスピリチュアル・パワーのすべてを含みます。
1. 反証が正当ではない
例えば、「Gスキラーのインチキを暴く」などという趣旨のコンテンツがあったとします。それで何をするのかと言えば、たいてい、Gスキルなどなくてもトリックで同じことができる、という証明をするのです。また、そのGスキル現象が1回きりであることを理由に、トリック呼ばわりすることも珍しくありません。
同じことがトリックでできるからと言って、そのGスキルの発現もトリックとは限りません。ライターで火を点けられることを証明したとしても、マッチの存在は否定できません。
また、トリックを使う再現による反証は、より高度なトリックの前には無力です。ライターもマッチも無かったとしても、発火する植物である
また、再現性がない、つまり実験などの科学的アプローチができないことを理由にGスキルを否定されることも私には納得いきません。人間関係やギャンブルなどの科学的アプローチが適切ではない現象が世の中には無数にあり、それでもカウンセラーやギャンブラー等の専門家は実在しているからです。
※ご注意 逆に、科学的アプローチが適切でないものを、科学的に扱ったとしたらインチキ確定です。ゴーストホロン(笑)みたいな詐欺科学用語をたっ~ぷり使うとかね!
2. アカウンタビリティーを強制している
Gスキルの存在を否定する人は、Gスキラーに過大すぎる
これができるなら、その原理も説明できるはずだ。できないのならインチキだ、できない理由を説明できなければ、それはインチキだ、と。
優れたアスリートや学者などに、「なぜ優れた結果が出せたと思いますか」というインタビューする人はいても、その答えが不十分だからといって、その業績まで否定しようとする人はいません。
その態度が失礼であることはもちろん、そもそも。
自分の能力をすべて正しく説明できる人などいないのです。
特に、その能力が科学的アプローチを拒むものであるなら、なおさらです。Gスキルが常識では説明できないパワーであるなら、Gスキラー本人の持つ常識でも説明できないことは明白です。
もし常識で説明できる人がいたとしたら、それはその人「専用」の常識ということですね! 3倍速い常識なのかも知れません!
私を含む一般人は、その結果でしかGスキルを把握できません。正統な学問により客観的に検証できていれば現状のような扱いになっているはずがありません。
したがって、Gスキルの行使は、正統な学問とは無縁に、Gスキラー本人が主観的かつ感覚的に行うものだと言えるでしょう。
主観的かつ感覚的に行うものを説明しろと言われてもねえ~
誰もが上手に食レポができるとは限りませんよ!
3. 何でもできると思っている
100メートルを9秒台で走ることのできるアスリートに、そんな凄い人間なら、ノーベル物理学賞を取れる「はず」だ、と期待するのは無理というものです。
逆に、ノーベル物理学賞を取った学者に、それなら100メートルを9秒台で走れ、と言うことも無理というものです。
なのに一般人は、ささやかな予言程度のGスキルにも疑いの
簡単なこと? どうしてそれが簡単だと言い切れるんですか?
Gスキルは通常の常識による解釈が通じないのに?
Gスキラーに「俺の名前を当ててみせろ」などと世紀末的な質問をかましたあげく、「当てられないなのならニセモノだ」と断定するのは、失礼なうえにまったく論理的ではありません。
そのGスキラーが持つGスキルが、失礼な質問者を指先ひとつで破裂させるほどのパワーを持っていたとしても、たまたま名前だけは判らないタイプのGスキルである可能性は考えないのでしょうか?
そしてまた、Gスキラー本人が、そのパワーの限界を把握できていない場合もありえます。特に、意識せずにGスキルを逸脱して、誰でも使える一般スキルを使ってしまっているケースもあると思います。
たとえば、優れた医者や弁護士が貴方に何かアドバイスをするとしましょう。
優れた彼らは優れているがゆえに貴方のためを思い、専門外の知識による助言を「立場として」言ってしまうことがあります。専門スキルを逸脱して、人生経験によって得られる一般スキルを使ってしまうことがあります。
いかに貴方がその助言を望んでいて、いかにそのアドバイスが貴方の役に立って、そしていかに貴方がその結果に感謝したとしても、誰でも使える一般スキルは、彼らの専門スキルとは関係ありません。
それは貴方の友人の助言と同じレベルです。
しかし、彼らの学んだものは系統だった学問なので、専門的知識さえあれば第三者でも客観的にその逸脱を指摘することができます。
素直な人なら、あっ、と思ってそれを認めるでしょう。
素人が何をほざく、と激怒する人もいるでしょうけどね!
前記の2にて述べたとおり、Gスキルが主観的かつ感覚的能力だとしたら、いま使っているパワーが、Gスキルなのか一般スキルなのか、という逸脱の疑いが発生したとき、どうしてそれを他人が、そしてGスキラー本人が否定できるでしょうか?
優れた医者や弁護士だって「うっかり」やっちゃうときがあるのに?
もう少し具体的に、例をあげましょう。
あるGスキラーが、貴方の個人情報をすべて言い当てたとしましょう。
なるほど、そんなことはGスキルにしかできない、だからこの人はGスキルを確かに持っている、と貴方は考えるかも知れません。
それは当然です。
コールド・リーディング(要ググ)や、特定マニアにも判らない情報だったなら、私だってそう思います。
しかし、もしそのGスキラーが、それ以外のことを言ったとしたら?
だから、貴方の人生を豊かにするために、ああしたほうがいい、こうするべきだ、これを買いなさい、などと「助言」したとしたら。
それがGスキルに基づいたものだと「確信」するのは、うかつ過ぎます。
なぜなら、貴方の個人情報と違って、未来に起きることなど検証できないからです。
誤解しないでください。
そのGスキラーが正しいとか正しくないとか、単なる商売人だとか詐欺師だとかお節介な善人だとか、そういう低次元のことを言っているのではありません。
その発言がGスキルによるものなのか、そうでないのか、Gスキルを貴方が持っていても持っていなくても、貴方には検証できない、それどころかそれを言ったGスキラー本人にもその境界がよく判っていないかも知れない、と言っているのです。
そう、自分の能力をすべて正しく説明できる人などいないのです。
たとえGスキラー本人が、「これはGスキルだ」と言い、くわえて本人にその確信があったとしても、です。前述の弁護士や医者の例のように、うっかりトモダチ的な助言をしちゃってるのかも知れないからです。
その助言は悪人が正しいことを言ったのかも知れないし、善人が間違ったことを言ったのかも知れないし、なんとなく言ったのかも知れないし、その助言に従って人生が豊かになるかも知れないし、破滅するかも知れないし、何も起こらないかも知れないし、結果的に正しくてもそれは偶然の一致なのかも知れません。
そしてその真実は、誰にも知ることができません。
Gスキルさえ持っていれば何でもできる、と確信することは、Gスキラーであろうがなかろうが、とても不幸な結果になる可能性があるのです。
※ご注意 もちろん、判らないことを判らないまま楽しんだり、美味しいとこだけをとりあえず信じて前向きに生きることは、私たちすべての自由であり権利です。
たいていの占いみたいにね!
4. 正しく信じていない
邪悪なGスキラーによる詐欺は、世の中に沢山あります。そのニュースを貴方も見たことがあるかも知れません。
そして、こう考えたりしませんでしたか?
どうしてこんな「うさんくさい奴」を信じたんだ?
その考えは間違っています。
騙された人は「信じた」から騙されたのではありません。
「信じなかった」から騙されたのです!
※ご注意 ここから、哀れな被害者の心理を書きますが、すべて推察であることをお断りします。そうなんじゃないかな~という程度ですね!
※ご注意 拝金主義の医者がいるように、性犯罪をする聖職者(要ググ)がいるように、邪悪なGスキラーは実在します。もちろん、ご本人様たちとその信者の皆様は違うご意見をお持ちのことと思います。
誰かを、何かを、信用するかどうか迷ったとき、色々な判断方法が世の中にはあるかと思います。
見た目で判断する。
理詰めで判断する。
社会的地位で判断する。
他人の評判で判断する。
うそ、大げさ、まぎらわしい、で判断する。
結果で判断する。
このうち最も確かなのは、「結果で判断する方法」ですが、たいていの人はたいていの物事に対して、その方法を取りません。
なぜなら、「結果で判断する方法」には、結果が出るまで時間がかかることと、むやみに疑いまくる非情な人間だと思われる、という欠点があるからです。
だと言うのに。
たいていの人は、Gスキルの真否を問うとき、「結果で判断する方法」を使いがちになってしまいます。他の方法をあまり取りません。
なぜなら、そもそもGスキルの存在そのものに懐疑的だからです。
信じていないから、最も確実に判断する方法を選択してしまうのです。
※ご注意 だいたいGスキラー相手に「結果で判断する方法」は間違っています。なぜなら、すでに述べたとおり、相手が誠実であったとしても確実な結果が期待できないからです。
悪GスキラーはGスキルまたはトリック(どちらでも結果は同じ)によって、
サリン事件を引き起こした団体(要ググ)のように、洗脳じみた状況やドラッグを併用する場合もあります。
ターゲットは、自分がそのとき最も確実だと思っている証明方法で「結果」を出されてしまうことに加えて、相手を疑っていたやましさの反動で、悪Gスキラーを意識せず信じてしまいます。
普段なら使っているはずの、他の判断方法を試すことなく。
「信じなかった」から「信じてしまう」のです!
再三、繰り返します。
ただ医者であるだけでは、ただ聖職者であるだけでは、信頼には値しないように……
Gスキルを信じることと、Gスキラーの人格を信じることは、無関係です!
その悪Gスキラーの見た目がどんなに「うさんくさい奴」であっても、ターゲットには関係ないのです。むしろ逆に、いったん信じてしまったことによって、こんな「うさんくさい奴」ですら信じられる自分は、無条件に他人を信じられる優しい人間だ、と心のどこかで思います。
そして、さらに哀れなターゲットは、自分自身のことについて。
見た目で軽薄に判断していない。
頭でっかちになっていない。
社会的地位で人の価値を決めていない。
他人の評判をうのみにしていない。
うそ、大げさ、まぎらわしい、と感じても許せている。
と、自己評価してしまうのです。
悪Gスキラーが、ターゲットをそう褒め称える場合もあるでしょうね。
チーン、被害者の出来上がり!
こんな事態を防ぐには、Gスキラーを最初から疑ってかかるのを止めるべきです。
まともな社会人なら誰だって、まともそうな人はそれなりに(失礼ではない程度に)信じるものでしょう?
コンビニで、このお金は本物ですか、って聞かれたことがありますか?
じゃあ、どうやって信じればいいの?
貴方はそう問いかけるかも知れません。
そんなことは簡単です。いつものようにすればよろしい。
結果だけでなく、見た目で、理詰めで、社会的地位で、評判で、うそ、大げさ、まぎらわしい、等で判断すればいいのです。そして判断を間違えたと思ったら、「君子は豹変す」の格言通り、もう一度判断しなおせばいいのです。
貴方がいつも見た目だけで判断しているのなら、Gスキラーも見た目だけで判断すればいい、と私は思います。
見た目による評価、とは、様々な評価情報が脳内で視覚情報に変換されている、ということに過ぎない、と私は思っています。
もちろん、評価情報量と変換効率には個人差があるでしょうけどね!
とは言うものの……
そもそも人を見極めるということは、相手がGスキラーでなくても難しいと思います。
そして、彼らがまったくの善意で、あるいは正当な商売のつもりで、貴方の役に立つ「結果」を先に見せてくれる場合もあるでしょう。
その「結果」が、難病の改善・開運・破魔・結界などの具体的な効果が体感できるものであれば、自分から彼らと疎遠になるのは、単純に惜しいし、また人して美味しいとこだけつまみ食いするのはどうだろう、と思うこともあるでしょう。また、すでに
難病でも体調には波があるし、不運もそうそう続くものではないし、起こらないことを防いだとは言えないし、区切られた場所には心理的に安心感があるものだし、しかも改善がGスキルのおかげとは限らない、と理性で判っていても、です。
人を見極めるのに最も有効な方法は、「試す」ことです。
しかし、この方法には、リスペクトに欠けるし、世間体も悪く、そして強いパワーが必要、という欠点があるので、気軽に使うことはできません。
リスペクトっぽく見えて、できれば「結果」も得て、しがらみも刺激せず、誰にでも実行可能で、それでいて見極め効果があるような「試す」方法はないのでしょうか?
そんな「魔法」はないだろう、って?
魔法はあります(笑)。
今回は特別に、これらの難儀を同時にすべて解消する「魔法」を、貴方だけに無料で授けたいと思います。
もちろん、「真なる魔法使い」たる私が使う魔法は、Gスキルより上位の能力です。
※ご注意 魔法はもう始まってますよ!
a) 対象となるGスキラーの、宗教的ルーツを調べる
フィクションに登場する「教祖様」は、差しさわりのないように曖昧にしていますが、現実においてはたいていのGスキラーが宗教的ルーツを持っています。
スピリチュアル系ならば、対象のGスキラーを導いた人(
b) 通販などで「プラセボ薬」(要ググ)を購入し、そのパッケージに、対象となるGスキラーが得意とする「結果」の内容を書き込む
「プラセボ薬」とは、ご存じかも知れませんが、介護や治験に使われている、全く薬効のない「偽薬」です。
送料別・税別で1000円ほど。誰でも購入できます。
この製品の通常の使用方法では、この「偽薬」を対象者には「本物の薬」であると偽ります。しかし、マイケル・シーファー氏率いるベルリン医学大学の研究チームが明らかにしたところによると、「偽薬」と知っていても対象者には心理的に多大な効果があった(要ググ)、とのことです。
「薬を飲むという行為」には、強い自己暗示パワーがあるということですね。
書き込む方法は単純にマジックで走り書きしてもいいし、PCで作成したラベルを張ってもいいと思います。
※ご注意 Gスキラーとの付き合い方に悩む人間は、そもそも思い込みが強く暗示にかかりやすいタイプの人です。私と同じ!
※ご注意 商売Gスキラーがプラセボ薬を利用せず、ナントカ水とかを販売する理由は、薬事法違反になるからだそうです(とあるGスキラー商売イベントの売り子に聞き込みにて確認)。
c) 上記の書き込みをしたプラセボ薬を持って、特定した宗教的ルーツの、同格以上のルーツを祭る宗教施設に行く
たとえば神道がルーツであるなら、伊勢神宮もしくは東京大神宮になります(要ググ)。貴方が
d) 宗教施設の関係者に、「ある人のために祈りたいので、ここでの正しい方法を教えてください」と頼む
たいていは喜んで教えてくれるはずですが、たまに、救済は自力で成すもの、という宗教観によって断られる場合があります。
それならそれで「目的」を果たしたと言えるでしょう。
対象のGスキラーが「貴方を救う」と言ったら、それは嘘だからです。
e) プラセボ薬を身に着けて、正しく祈る
祈りの言葉は、
「〇〇(対象のGスキラーの名前)さんに、ふさわしい未来をお与えください」
です。
言葉に出しても、思うだけでも、かまいません。
要するに、神仏に「審判の丸投げ」をするワケですね!
f) できれば帰る前、プラセボ薬を清めるか、お守りを買う
神道ならば、手水の水を少しかけておくか、「結果」にふさわしいアイテム(お守りやお札)を買って、あとで薬のパッケージに貼り付けます。アイテムの場合は施設に行かなくても再使用できます。
宗教施設によっては、大掛かりな「お祓い」等ができる場合がありますが、その判断はおまかせします。
この項目は、宗教施設に入場できていれば、まったくしなくてもかまいません。
少なくとも身に着けて入ったのですから。
e) 笑顔で、 対象となるGスキラーに、宗教施設に行ったことを打ち明ける
私が「魔法」だと言ったことは黙っていたほうがいいでしょう。打ち明けるときは、あくまでも笑顔で、心から貴方のことを思って行ってきました、という空気を出すべきです。大人ならできるはず。
これで私の魔法はかけ終わりました。
後は、Gスキラーの反応をよく観察すればいいのです。
Gスキラーのパワーの
※ご注意 こんな面倒くさいことしたくない、というのなら、それはそれで問題は解決しています。そのGスキラーは貴方にとってその程度の存在である、ということが貴方の中で明確になったのです。心配無用。その人たちは貴方の人生に何の影響も与えません。良くも悪くも。
そのGスキラーが本物のGスキルを持っていて、清く正しく、今後も貴方がつきあう価値があるのなら、貴方はたぶん良いことをしました。きっと貴方の行為は相手に喜ばれることでしょう。
そしてその喜ぶ姿はまったく「うさんくさく」ないでしょう。
プラセボ薬は飲めば貴方に実際の効果をもたらすでしょう。今後もそうやってGスキラーに頼らず「仕入れ」ることができるでしょう。
もし今後、相手を疑いたくなったら、何度でも同じ魔法を使いましょう。
しかし、そのGスキラーが貴方の言葉を無視したり、不機嫌になったり、「うさんくさい」笑顔をしたり、ましてや「そんなことをしても無駄だ」とか、「呪ってやる」などのネガティブな態度に出たとしたら、そのGスキラーは……
本物のGスキルを持っていない。
または、無視していいほど少ないパワーしかない。
または、貴方に適正価格(笑)で使用するつもりはない。
その人格に問題がある。
自分の宗教的ルーツに認められていない。
要するに「善」ではない。
そのうちのひとつかそれ以上。
と、いう疑いが強く、いずれの場合も、そのGスキラーとの関係を断ち切る、あるいは一線を引くのに十分な理由であり、迷う余地はまったくありません。
しがらみ系の人には、「良かれと思ってしたことで、何だか嫌われてしまった」と周囲に語り、泣き真似をかましておきましょう。
プラセボ薬は最初は効くかも知れませんが、やがてその薬効は無くなるでしょう。
何、使用期限が少し早まっただけです。毒に変わる前に使用できて良かった、と思いましょう。
この節はちょっと長くなってしまいましたが、最後の憤慨ポイントを書きたいと思います。
5. 要するに舐めている
貴方は、反社会的勢力、いわゆるYAKUZAと取引したことがありますか?
私はあります。
もう辞めてしまった家業では、とあるインフラを扱っていたので、お得意さんの中にはそういった方々がいました。
※ご注意 まさか「インフラでさえ反社会的勢力に供給してはいけない」とか、おっしゃられたりしませんよね?
リアルでの私はネットと違い(笑)、誰に対しても丁寧で笑顔と礼を欠かさない姿勢なので、特に問題はありませんでした。しかし、彼らに対応するときは、特に、溜まった使用料金を請求するときなど、逆ギレされたらどうしよう、と内心、常にビクビクしておりました。
だって袖口から「絵」が見えたり、部屋に日本刀とか飾ってあるんだもん。
さて、Gスキルは決して反社会的パワーではありませんが、非社会的パワーであることは間違いありません。なぜなら、常識イコール司法で縛ることができないからです。司法からGスキルを見るとき、それは見えないパワーであり、取り締まることのできないパワー、つまり「脱法パワー」です。
少し判りにくい?
では、外からは簡単に見えないパワー、そう……
スマホのアプリにでも例えましょうか。
個人情報を調べる、ハッキング・アプリ。
先祖の情報を調べる、トゥームレイダー(墓荒らし)・アプリ。
遠くの光景を見たり透視する、ピーピングトム(覗き魔)・アプリ。
遠くの音や心の声を聞く、ワイアタップ(盗聴)・アプリ。
自分の考えを聞かせる、クレーム・アプリ。
縁切りしたり縁結びをする、ステマ・アプリ。
運命そのものを変える、チート・アプリ。
幽体離脱をする、ドラッグ・アプリ。
※ご注意 もちろん「脱法」の意味が含まれるように名付けています。
これに加えて、ひょっとしたら、カース(呪い)・アプリ、デス・アプリ等もあるかも知れません。
そうです。
はっきり言って、これはひどい表現です。
多くのGスキラーは、そのアプリを決して悪用したりはしないでしょう。また、使用する際には対象者の了解を得るでしょう。そして、たいていのGスキラーは、これらのアプリのうち少数しか使えないだろうし、その性能にも個人差があるはずです。
そうでなければ、とっくに立法化されて取り締まりされているはずです。
しかし……
そのアプリは、現実のGスキラーのスマホならぬ肉体から、決してアンインストールできないのです。そして司法が及ばない以上、その抑止力となるのはGスキラーの「良心」だけなのです。
えっ、ロクに信じてもくれない相手に対して、良心!?
貴方だったら、自分を信じてくれない相手に対して、誠実に振る舞いたいと思えますか?
私は現実のGスキラーが、Gスキラーのふりをしているのならともかく、Gスキルを持っていることを公言することが不思議でなりません。
もし自分がGスキラーだったら、それしか能がないなら仕方ありませんが、Gスキルが必要な仕事についたりはしないでしょう。
そして、家族や家族並みに親しい人には口止めしたうえで話すかも知れませんが、それ以外の人には、生涯秘密にしたまま暮らすでしょう。
Gスキルを使うのは、大災害や命の危機等の、一般スキルではどうにもならない事態のときだけでしょう。
なぜなら、反社会的勢力でない限り、自分の良心と周囲の無理解に挟まれる、強大なストレスがあるからです。
ひょっとしたら現実には、私たち一般人が考えるよりずっと大勢のGスキラーが、上記のような理由で隠れているのかも知れません。
そして、大災害から奇跡的に助かった人たちの影には、彼らの尽力があったのかも知れません……
でも、もし私が反社会的勢力のGスキラーだったなら。
そのときは……
忠告します。
本物と思われるGスキラーに出くわしたら、気をつけてください。
誰が相手でもそうすべきであるように、丁寧で笑顔と礼を欠かさない姿勢を、保つようにしてください。
少なくとも、一応、ふりだけでも。
さて、次回(次々回)のエッセイは、いよいよ佳境!
「神様」について語りたいと思います。
それではまた、お会いしましょう。
会うべき時、会うべき場所で。
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