楽園じゃなくても、地獄じゃなくても
詐欺師は儲けのシステムの信頼性を常に強調するが、
人を騙すものはシステムではなく、常に人である。
(尻鳥雅晶「日めくり尻鳥」「平成29年12月17日(日)」より引用)
かつて「地上の楽園」と呼ばれた国がありました。
正確に言えば、かつて「この国の大勢の人たち」が、そう呼んでいました。
その国には発展する未来がある。同胞が待っている。偉大な指導者がいる。衣食住、教育、医療、職に困ることなく豊かに暮らせる。差別なく自由に生きられる。
その国の指示を受けて宣伝する人々や、思惑を持って協力する政治家たちがいました。実際その国に観光し、その素晴らしさを伝えた人がいました。新聞や映画等のマスメディア、教師や活動家や進歩的文化人が、こぞってその国を讃えました。今の貴方にとって、大事な人、尊敬する人、応援している人も、かつてその国を讃えたひとりであったかも知れません。
その国に受け入れられる資格を持つ、貧困や差別にあえいでいた人々は、「地上の楽園」を目指し、あふれんばかりの希望を抱いて、彼らを
その数、9万3千3百4十人。
かつて「地上の楽園」と呼ばれた国がありました。
旅立った人々は、無事に「楽園」にたどりつけたのでしょうか?
その結論は、貴方が自分で出してください。
ご存知ないかたは「地上の楽園」で検索すれば、詳細はすぐ判ります。
※ご注意 このテキストはできるだけフェアな表現を心掛けています。個人の感想や解釈を強制するものではありません。全体主義国家じゃあるまいしね!
かつて「地上の楽園」と呼ばれた国がありました。
いま「あの世」を語る人々と、当時「地上の楽園」を讃えた人々には、三つの共通点があります。
1.ほぼ全員が、伝聞を真実として語っている。
2.ごく少数の
3.ほぼ全員が、その言葉の責任を負わない。
※ご注意 「(神聖なる)あの世」と「(偉大なる)あの国」を同列に語る罰当たりめ! なんて差別を、貴方はまさか言いませんよね?
前フリはここまで。
では、前回(前々回)で予告したとおり、このテキストにおける私の立ち位置を語りたいと思います。
当然のことながら、いまの私は「あの世の
たとえ「私」が将来、わくわく
「貴方の地方では〇〇を〇〇してるってTVで言ってたけど」
「えっ」
そう。
「信じてもいい私」とは、「あの世ジモティ」の「私」だけです。
「責任を負える私」は、「この世ナマモノ」の「私」だけです。
※まともな法治国家の法律は死者そのものに責任を求めません。とある宗教観でも、結婚のときに「死が二人を分かつまで」とその責任の限界を誓いますよね?
「あの国」の歴史の
「
しかし、私が「あの世」を語る際には、「
たとえ私が、どれだけどれだけ偉大なる宗教家でも、どれだけどれだけ優れた霊能力者であったとしても。
そう、私が語る「あの世」は、神話や寓話、そして宗教家やスピリチュアルな人々が真実だと語る言葉を元ネタにした、私の想像と信念によるフィクションなのです。
さらに、私のスタンスを補足しておきます。
私が、私なりに、「あの世」、いわゆる死後の世界の実在を信じていることはすでに述べました。
その他にも、天国、地獄、転生、霊能力と呼ばれる不思議パワー、
幽体離脱、臨死体験、魂の不滅、そして神様の実在を、私は強く信じています。
ただし。
その信じ方は、前述の私の「あの世」の信じ方と同様に、一般的な宗教観やスピリチュアルな感性とは、非常にかけ離れたものであることを、ここにお断りいたします。
※ご注意 私はこのエッセイにおいて「宗教」そのものについて言及することはありません。「宗教観」もしくは「宗教家」についてのみ語り、そう記述しています。だから「聖書にそんなこと書いてない」なんて的はずれな反論をされたら笑ってしまいます。何か宗教関係で事件が起きると「それは熱心な信者が勝手にやったこと」という弁明を宗教団体がよく出しますでしょう?
さて次回(次々回)のエッセイは。
とある「パラドックス」について語りたいと思います。
貴方は果たしてこのパラドックスを解けるでしょうか?
かつて「地上の楽園」と呼ばれた国がありました。
願わくば、どこかに、すべての人々が幸せになる楽園が実在しますように。
……RIP
それではまた、お会いしましょう。
会うべき時、会うべき場所で。
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