20
その相手とは……カリオテだ。
早速告白に……って、今目の前におるよ。
「どうしたんですか、先輩? 部活へ行かないのですか? 私は早く一心不乱にアイロン掛けしたいのですが……」
「今日は部室には行かない。それより、お前と二人で、別の場所へ行きたい」
「別の場所? 二人で?」
「ああ。モテカワスリム学園一の恋愛スポット、『伝説の樹』の下だ」
「ええっ! 伝説の樹!?」
カリオテの表情が驚きに溢れる。
「あの、『樹の下で、クロゴケグモの求愛行動を真似た告白で生まれたカップルは永遠に幸せになる』という逸話があることで知られる『伝説の樹』ですか!?」
「……………………クロゴケグモの求愛行動ってどんなんだっけ?」
「黒後家蜘蛛、別名ブラックウィドウは、オスとメスの体格差がすごくあるクモです。メスの方が圧倒的に大きくて強いんです。体重差は三十倍もあって、交尾し終わった後のオスをメスが捕まえて食べてしまうことなんかでも知られています。このクモのオスの求愛行動は、メスの足に触れる、というものですが、先ほども言った通り圧倒的にメスの方が強いクモですので、この時求愛してきたオスのことが気に入らない場合、メスはオスを殺してしまいます。ですので、オスは殺されないように怯えながらちょんちょん足に触るんです」
「やめなよ」
君は、首を振る。
「ころすこと、ないぢゃん」
→33(https://kakuyomu.jp/works/1177354054885069702/episodes/1177354054885102116)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます