18

 とりあえず、今は教室へ急ぐことにする。

 遅刻したら困るしね。


「ふー。間に合った」


 ところが、学校の下駄箱まで来て、上履きに履き替えようとした君の動きが止まる。

 下駄箱の中に、可愛らしい封筒を発見したのである。


「……」


 開いてみると、中に入っていた花柄入りの便箋には「話したいことがあるので、放課後、学校の屋上まで来て欲しい」と書かれている。

 差出人の名前は無い。


 誰がどう見てもそれはラブレターで、男女の仲を取り持つのは大体スマホのやり取りと相場が決まっているこのご時世、実に古風なことこの上無いが、それでも君の動悸は嘘をつかない。鼓動が激しくなっている。


「ショウくん、なに見てるの?」

「なっ、なな、なんでもない!」


 ひとまずラブレターを懐にしまうと、君は教室へと向かう。


→22(https://kakuyomu.jp/works/1177354054885069702/episodes/1177354054885070541

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