カラカルあーかいぶ0

@bool

裏プロローグ

『そして私はヒロインになる!』


ダークカラカルは叫ぶ。


同時に女王ロボから放たれたセルハーモニーは響き渡る。


場所を越え、時間を越え、遠い未来の果てでサンドスター・ロウと共鳴する。


『ひたすらサーバルとイチャコラしたい……。

本当はそういうつもりはないんだけど、

サーバルがどうしてもって言うから仕方なく

……ってスタンスでイチャコラしたい!』


黒いサンドスターは彼女の純粋な願いをただ叶えるため、

倫理とか権利関係とか関連企業の都合とかなんかそういう感じの

モロモロこの世の面倒事をギュッと捻じ曲げひとつの奇跡を起こした。



────

───

──




「カラカル?カラカルだよね!? 私と最初にしたお話、覚えてる!?」


『……私のジャパリまんじゅう食べたでしょ』


「食べないよう!」



死の淵から奇跡の生還を果たしたヒロインを抱擁するサーバル。


そう、カラカルは誰かと入れ替わっていた。


まるで見知らぬ別人と人生をそっくり交代してしまったかのような状況。


そしてこの状況に違和感を持つ者は、自分以外に誰もいない。


よく似たジャパリパーク

よく似たフレンズ達

よく似たモノの呼び方

なんとまあご立派なみんみ顔


はじめは混乱していたカラカルだが、

若干ゃデザイン変わってるサーバルもなかなか乙なものだったので、

元のジャパリパークに戻る方法もまあその内考えればいいや~と

この現象をなんだかんだでエンジョイ&エキサイティング


『やっぱりサーバルは最高ね!』



────

───

──




黒いセルハーモニーがもたらした記憶の再現は完璧だった。





もはやこの異変を異変として観測できるフレンズはどこにもいない。





遠い過去、閉ざされたジャパリパーク・パビリオン。

ひとり画面を見つめる、ヒトのフレンズ以外は……。



~けものフレンズぱびりおん/ZERO~ 完

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