執行人

レイフェス視点


※特別視点となります


レイフェス「………どういう状況?」


レイフェスがレイガーシュ達と一緒に住むことになって早10日、レイガーシュがリビングのソファーで伸びていてヤクバが困り顔


ヤクバ「力の制御法を教えて貰っていたら暴発してしまって………」


レイフェス「それでその暴発をその身に受けたレイガーシュが気絶して伸びたと………」


ヤクバ「はい(・ω-`;)」


レイフェス「朝っぱらから何やってんだか………」


レイフェス 俺力の制御法にはコツがあるって教えたと思うんだけどな………


伸びたレイガーシュを見ながらそんなことを思い無意識に朝食を作っているレイフェス


レイガーシュ「ご飯………」


ヤクバ「あ 起きた」


ウェルーシャ「お前ほんと飯時になるとすぐに起きるよな」


匂いに釣られて起きてきたのかウェルーシャがそう言いつつ朝食を三人の前に置く


レイフェス「飲み物は何飲むんだ?」


レイガーシュ「俺は紅茶でウェルーシャはブラックコーヒー、ヤクバがあったかいお茶」


レイフェス「相変わらずバラバラなんだな」


レイフェス まぁ昨日の時点で何が好きなのかは大方わかったけど


レイガーシュがそれぞれの個性を消してしまわないようにしているのを理解したレイフェスは、3人に飲み物を渡してから自分の分も作る


レイガーシュ「親父 俺らの朝食はちゃんと栄養バランス考えられてるのに自分の雑過ぎない?」


レイフェス「そうか?」


ウェルーシャ「俺達のと自分のを比較してみてください」


レイフェス レイガーシュ達には食パンと野菜に目玉焼き、果物………俺は目玉焼きだけ………確かに雑だわ


レイフェス「確かに雑だが………いつもこれだからな」


レイガーシュ「逆に俺らこんなに栄養バランス考えられた朝食食ったことないんだけど」


レイフェス「見た感じそれぞ栄養は取ってるみたいだが血圧等があまり良くないだろ、特にヤクバとレイガーシュは栄養が偏ってる」


レイフェス しかもレイガーシュなんて一歩間違えれば死ぬぞ………


レイフェス「レイガーシュは俺が特別メニュー作るからな」


レイガーシュ「え?なんで?」


レイフェス「一歩間違えれば死ぬぞ 栄養が偏りすぎてる」


ウェルーシャ「レイは飯食ってたり食ってなかったりするからな」


レイフェス やっぱり………


レイフェス「と言うか俺が飯作ればいいんじゃないか?」


レイガーシュ「まさかの?」


ヤクバ「分担すれば?」


レイフェスは主夫力の塊のようなものなので家事に関してはかなり上手い


ウェルーシャ「そっちの方がいいかもしれない 俺の仕事がなくなる」


レイガーシュ「OK 今日は親父で明日はウェル、その次が俺でいいか?用事で出る時はできる限りって感じで」


レイフェス「異論はない」


ウェルーシャ「OK」


という事で家事を分担して行うことに決定


〜3時間後〜


レイフェス「ポスト見てくる」


ヤクバ、レイガーシュ、ウェルーシャ「(*・∀・*)ノ ハーィ」


昼食の準備を終えレイフェスがポストを見に行くと届け物の中に自分の名の書かれた手紙が……


レイフェス 予想通りだな


送り主はレイフェスが予想していた通り神からで内容は大方予想がつく


レイフェス「…………」


手紙を開けて読んでみると完全に英語で書かれているあたり相変わらずだなと思う


レイフェス 訳すの大変なんだよな………


と思いつつも英語がわかるレイフェスは普通に訳し頭を搔く


レイフェス「めんどくせぇ……」


ヤクバ「?」


レイフェス「一人言」


レイフェス 2週間後に天界の大聖堂に呼び出しとかダルいな………しかも戦争中だぞ


神に呼び出しを受けたレイフェスはめんどくささに頭を搔く


レイガーシュ「親父頭掻きすぎ 血が出るぞ」


とレイガーシュに止められ指を見てみると血が付いている


レイガーシュ「遅かったかぁ………」


レイフェス「癖で掻いちゃうんだよ」


レイガーシュ「風呂湧いたよ 入ってくれば?」


レイフェス「ん そうする」


いつ風呂を湧かしたのかレイフェスは風呂に入って頭を洗うと結構頭皮が痛む


???『頭を搔く癖を治せ』


レイフェス「っ」


不意に蘇った声に一瞬身体が反応したレイフェスだが冷静になってシャワーを浴びる


???『レイフェス』


レイフェス「消えろ ギルーア」


レイフェスにとってギルーアは憎悪の対象でしかなく過去を思い出す


レイフェス「…………」


過去の記憶を思い出してレイフェスは血が出るくらい身体を洗う


レイガーシュ「親父!」


レイフェス「レイガーシュ………?」


レイガーシュ「風呂場から血の匂いかしたからまさかとは思ったけど………何やってんだ!」


レイガーシュに腕を掴まれて見てみると足元からも血が出ていて相当変に洗っていたらしい


レイガーシュ「身体洗うなら俺が洗うから 後で包帯巻くからな」


と言われてレイガーシュは服を着ている上に完全に濡れてしまっているのだが、半ば混乱状態なレイフェスは気がついていないためそのまま身体を洗ってもらう


レイガーシュ「…………」


レイフェス「…………」


レイガーシュ「…………」


レイフェス「…………」


身体を洗ってもらった後 レイガーシュはレイフェスを少し待たせて着替えてから包帯を巻くが……何分無言でレイフェスは何を話したらいいのか悩む………ちょうどウェルーシャとヤクバは買い物に行ったらしくいない


レイガーシュ「なんか嫌なことでもあった?」


レイフェス「………昔男に犯されたことがある 俺が「先輩」と呼んでいた人に」


レイガーシュ「…………」


レイフェスの言葉にレイガーシュの纏う雰囲気が変わったがレイフェスは気がついていない


レイフェス「若い頃に突然背後を取られて複数で犯された………主犯格は死んだらしいが本当に死んだのかはわからない」


レイフェスは話した………男に犯された過去やレイガーシュとルシファーを手放した理由を………


レイフェス「妻を殺され2人を手放した後………自殺未遂にまで追い込まれて旧友にこの命を助けられた………彼は今俺の天界でのサポート役として補佐をしている」


レイガーシュ「親父の友人ってどんな人?」


レイフェス「プライベートだと元気な生き生きとした好青年にしか見えない 仕事で指揮官たちの指導を行う時は「鬼畜」やら「鬼」やら言われてるけどな」


レイフェス 気を使わせてしまったな………


レイガーシュが自分に気を遣ってくれたことに感謝しつつ渡された服を着て朝食を作る


レイガーシュ「親父 何作ってんの?」


レイフェス「ラタトゥイユ」


レイガーシュ「レシピ教えて〜」


レイガーシュがレイフェスにラタトゥイユの作り方を教わっている中、タイミング良くウェルーシャとヤクバが帰宅


ヤクバ「美味しそうな匂いする!」


レイフェス「おかえり 今飯作ってるから」


ウェルーシャ「デザートも作ってます?」


レイフェス「よく分かったな 正解」


レイフェスは普段からワイシャツを着ているので腕を捲って料理を作るのだが………身長も高く体格も良くて顔も頭も良いときて料理も作れるという、何とも夫にしたらなんでもできる人だが色々とできる分色々と不器用


レイガーシュ「デザート何作ってんの?」


レイフェス「シフォンケーキでもいいかと思ったがマフィンにした」


ヤクバ「(´。✪ω✪。 ` )」


マフィンはヤクバの大好物


レイフェス「夜は葡萄入りゼリー」


ウェルーシャ「((o(*>ω<*)o))」


一体いつ把握したのかレイフェスはデザートを作るにしても必ず好物を作っている


レイフェス「3人とも夜中まで起きてるんだろ?夜食にビスケット作っておいてやるよ」


レイガーシュ「(*`∀´*)」


レイフェス「それと2週間後数日出るからもし俺の番だったら代わってくれないか?」


レイガーシュ「了ー解」


レイフェス さ〜て飯作り終わったし………


レイフェス「ホイ飯 手洗って席座れ」


3人「(*・∀・*)ノ ハーィ」


3人に食事を渡してレイフェスは一旦自室に戻る


レイフェス「…………」


黒を基調とした部屋はレイフェスの「父親」が好きだった色………


レイフェス「…………」


机の上で点滅していた携帯を開くと着信履歴が300件同じ人から来ていて………レイフェスは過去の後継がフラッシュバックする


???『待ってくれ!なんで………祥(ゆき)!!』


レイフェス「父さん!!」


父親『祥!!』


???『征人(ゆきひと) 聞き分けろ』


レイフェスの耳と脳裏に蘇る父と引き離された記憶………


征人『龍華(りゅうか)様………!!!』


龍華『…………』


征人『祥………!!!!!!!!』


レイフェス『父……さん!!!!!!!!』


レイフェス 後少し………距離があれば………


あとほんの少し距離があればレイフェスとレイフェスの父の伸ばした手は繋ぐことが出来た………


レイフェス「…………」


そこまで思い出したレイフェスは携帯の着信を返す為に電話をかける


通話相手『…………』


ワンコール目で電話には出てくれたが通話相手は何も話さない


レイフェス「父さん 父さんなんだろ?」


通話相手『…………』


レイフェス「いつか………帰るから………」


通話相手『………そう』


レイフェス 父さん………


レイフェスが電話したのは「風神 征人(ふうじん ゆきひと)」………レイフェスの父親である


レイフェス「また連絡する」


そう言って電話を切りレイフェスは白い服をタンスから出してアイロンをかけつつ、2週間後の神との面会で自分が「執行人」となるのを思い出す


レイフェス 俺に与えられた「調和役」と「執行人」の役目………


レイフェスは2つの役割を与えられており次は「執行人」として仕事をこなす


レイフェス「………お前ら………食器くらい片せ!!!!(怒)」


そしてリビングに来たレイフェスの発言で全員いそいそと食器を片す


レイフェス「(食器を片す癖をつけさせないと)」


とそんなことを思いつつも………昔とは違い此処が自分の居ていい場所である事を分かっているレイフェスだった………


〜2週間後〜


レイフェス「めんどくせぇぇぇぇ」


レイガーシュ「無駄に似合ってるね」


レイフェス「無駄っていうな無駄って」


2週間後 たまたまレイガーシュの食事当番だったので、レイガーシュは早くに起きてきたレイフェスに食事を渡したのだが………白装飾に伸びきった後ろ髪を纏め前髪を固めているので無駄に似合う


レイフェス「おいこら作者(💢゚Д゚)「無駄」って言うんじゃねぇ!」


作者「ごっめーんテヘペロ(๑>؂<๑)♪」


レイフェス「謝る気なしか!!!!」


レイガーシュ「親父誰と話してんの?」


※時折おふざけ入ります


レイフェス「気にしなくていい もしかしたら一週間近く帰ってこれないかもしれない」


レイガーシュ「分かった 気をつけてね」


レイフェス「おう 行ってきます」


レイガーシュ「行ってらっしゃい」


レイガーシュに見送られてレイフェスは外に出て道に出てから翼を出して天界へ


レイフェス「神の名を持って参上仕った 大聖堂の門を開けよ」


門番「レイフェス様よくぞお越しくださいました 神がお待ちですこちらへどうぞ」


門番の案内の元レイフェスは天界の中でも少数しか入れない大聖堂へ


神「来ましたね レイフェス」


レイフェス「…………」


レイフェスは天界にいた頃から神に対して塩対応なので無口なことが多い


神「戦争はどうなっていますか」


レイフェス「天使側が明らか劣勢 悪魔側が着々と力をつけていて敗北は必然でしょう」


神「…………」


レイフェス「大天使に最高ランクの指揮官、同じく最高ランクの上級天使がいない以上、これ以上の戦争は天使側の損失の方が多くなり天使の量が減る一方でしょう」


レイフェスは本当のことしか言っていないのだが神は余り納得していない


レイフェス「貴方は選択を誤った 天界の為に自らの翼を悪魔に売り死ぬ気で戦っていたミーシャを人間にし、その息子2人を見殺しにして妻を「処罰」と称して2度と天界にも3人にも会えないようにした」


神「つまり何が言いたいのですか」


レイフェス「まだ分からないのか?貴方は「神」としての資格を失った」


レイフェスはそう言って持ってきていた「執行人」としての刀を取り出す


神「レイフェス………!」


レイフェス「貴方が与えた役目だ責任を持つべきだろう ……我執行人に選ばれし者なり………これより罰の執行を開始する 罰を執行するべき者は神である………最高ランクに値するその罪を神として降格する罰によって贖罪(しょくざい)を行う………懺悔(ざんげ)せよその罪の重さに………0からやり直すといい」


その言葉が終わると同時にレイフェスは目の前の神を切りその神は0から全てをスタートする


???「流石「執行人」 容赦ないな」


レイフェス「神々に選ばれし新しき神は世界を癒し天界を統べる「夜神 レオン」」


夜神「そこからなの?」


レイフェス「まぁそれがルールですから……新しい神よ 玉座へ」


「夜神 レオン」と呼ばれた新しい神が言われたままに玉座に座ると新しい神として認められ、最初の仕事を下す


夜神「レイフェス・風神 お前を「執行人」並びに「調和役」として任命する」


レイフェスは4つ前から「執行人」と「調和役」として選ばれているのでその器はでかい


レイフェス「ありがとうございます 定例会議と呼び出し以外では私は人間界におりますがよろしいですか?」


夜神「好きにしろ」


神の言葉は絶対………レイフェスはそのまま人間界へ帰っていく





神の移り変わりを間近で見れるのは「執行人」であるレイフェスただ1人だけ………

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