父と子
レイガーシュ視点
レイガーシュ「…………」
ウェルーシャこと息子のウェクーアが熱で行動不能になって早4日………レイガーシュはさすがの自体にある人物に弓に括り付けた手紙を飛ばす
レイガーシュ 親父のことだからすぐに返事が来るはず………
レイガーシュが手紙を弓で飛ばした相手は自分の父親であり唯一人間と天使との調和を果たした人
レイガーシュ「うおっ」
レイガーシュ はっや
レイガーシュ「…………」
本当にすぐに返答が来てそれを読んでみると「今から行く」とのこと
レイガーシュ「ウェルーシャ、ヤクバ 今から親父くる」
ウェルーシャ「親父………?親いたのか………?」
レイガーシュ「そりゃいるわ」
ヤクバ「僕は全然いいよ」
ウェルーシャは熱で弱りヤクバは快諾
「ピンポーン」
レイガーシュ「親父来るの早いな」
ピンポーンが鳴って外に出ると生まれつきの白い項まである髪をなびかせている父の姿が…?
親父「名前呼びでいいって 俺は「親」なんて呼ばれる資格ない」
レイガーシュ「レイフェス 早く(ただでさえウェクーアの顔割れてるんだ)」
レイフェス「了解した」
カッコのところをレイフェスが理解しそそくさと室内へ
レイフェス「…………」
ウェルーシャ「………こんにちは………」
レイガーシュ ヤバい………親父の機嫌が………
ウェルーシャの様態を見てレイフェスの纏う雰囲気が変わりレイガーシュもそれに気がついた
レイフェス「だいぶ熱があるな この状態を何日過ごしたんだ?」
レイガーシュ「……4日」
レイフェス「あ?」
レイガーシュの予想通りレイフェスの言葉には怒気が混じり怖い
レイフェス「なんで二日目で言わなかった」
レイガーシュ「二日目は熱がほとんど出てなくて………」
レイフェス「当たり前だ!天使は滅多に熱を出さないし出したとしても二日目で治る!!!!」
レイガーシュ「…………」
レイフェスの説教に完全に泣きそうになったレイガーシュ相手にレイフェスは冷蔵庫を漁る
レイフェス「レイガーシュ これ飲ませろ」
レイガーシュ「はい………」
レイフェスは冷蔵庫を漁り何かを作ってレイガーシュに投げ渡して、それをウェルーシャに飲ませるとウェルーシャは何事も無かったかのように元気に
レイフェス「…………」
レイフェスはウェルーシャが元気になって一安心したが次なる問題はレイガーシュ
レイガーシュ「(´;ω;`)」
レイガーシュが部屋の隅で泣いていてレイフェスはかなりの不器用なのでどう対応するか悩む
レイフェス「レイガーシュ」
レイガーシュ「(┳◇┳)」
レイフェス「…………」
レイガーシュの前に来てレイフェスが呼ぶとレイガーシュが号泣し出したのでなんとも言えない
レイフェス「…………ほら」
レイガーシュ「金平糖?←(泣き止んだ)」
レイフェスがレイガーシュを泣き止ませる方法として唯一知っていたのが金平糖をあげること
レイフェス「…………」
レイガーシュ あ これ俺とどう接したらいいのかわからないやつだ
余りにも親と子として接した期間がないためにどう接したらいいのかわからないレイフェスは、常にレイガーシュに対して困り顔で対応しレイガーシュも父にどう接せばいいかわからない
レイフェス「帰る」
レイガーシュ「!ちょっと待て親父!!」
そしてレイフェスが帰ろうとしたのでレイガーシュが腕を掴んで阻止
レイフェス「!」
レイガーシュ「ここにいればいいだろ なんで俺から離れようとするんだ」
レイフェス「………俺はお前を捨てたんだぞ あの場所に」
レイフェスはレイガーシュが「ミーシャ」だった頃に孤児院の前にレイガーシュを置いて消えた……その時にレイフェスはレイガーシュが散々苦労したことを知っている
レイガーシュ「だからなんだよ 親父は親父だろ?俺の親は親父だけだ」
レイガーシュ 確かに苦労したし虐めもあった……蔑まれて卑下されたことも多かった………だけど俺にとって親父は………
レイガーシュ「たった1人の親なんだよ………」
レイガーシュ ガキの頃は寂しかったしなんで俺だけが親の面会がなかったのか分からなかった……でも今は理由も知ってるし親父がどんな気持ちで俺を手放したのかもわかる……だから………
レイガーシュ「ここに……いてよ………」
レイガーシュは消え入りそうな声で言いながらレイフェスの腕を無意識に強く掴み、レイフェスはまた泣きそうなレイガーシュを抱きしめた
レイフェス「お前が………そう望むのなら」
レイフェスはレイガーシュの気持ちが心まで伝わった………だからそう言ったのだ
レイガーシュ「2階の奥の部屋空いてる 昔親父が使ってた部屋」
レイフェス「分かった 使わせて頂くよ」
という事でレイフェスも今度から一緒に住むように
ウェルーシャ「親父さんお前のこと捨てたとかなんとか言ってたけど」
レイガーシュ「訳ありだよ」
と言いつつ一旦荷物をまとめに帰っていったレイフェスの軽い説明をして、レイガーシュはヤクバの頭を撫でくり回す(疲れるといつもそれ)
ヤクバ「((o(*>ω<*)o))」
頭を撫でられるのが好きというのは初日から知っていたので撫でくり回すとより喜ぶ
ウェルーシャ「(疲れてんなぁ………)」
因みにウェルーシャも昔撫でくり回されていた
レイフェス「レイガーシュ 家に人がいるのが分かっているとは言え鍵は占めた方がいい」
レイガーシュ「荷物少ないね」
数分でレイフェスが帰ってきて荷物の少なさに驚く
レイフェス「元々色々なところを歩き回ってるからものは少ない」
と言いつつレイフェスは靴を脱いでレイガーシュの頭を撫でる………するとレイガーシュが驚いたのか嬉しいのかわからない反応を示す
レイガーシュ「…………」
レイフェス「…………」
レイガーシュが固まってしまったのでレイフェスは無言で2階の自分の部屋に行き荷物整理へ
レイガーシュ「…………」
ヤクバ「レイ?」
レイガーシュ「( ゚д゚)ハッ!」
ウェルーシャ「気絶してたのか?」
ヤクバの声に我に返ったレイガーシュはテンポ遅れで赤面
ウェルーシャ「慣れてなさすぎだろ………文通とかは?」
レイガーシュ「文通はしてた けど頭撫でられたりとかは会ってなかったから………」
ウェルーシャ「(反応初(うぶ)すぎんだろ)じきに慣れるんじゃないか?」
レイガーシュ「お前今失礼な事考えたろ 多分な」
ウェルーシャと付き合いが長い文何を考えたのかを理解したレイガーシュ
ヤクバ「レイのお父さんってレイにすごい似てるんだね」
レイガーシュ「遺伝子が強いってことなんじゃないか?親父元々有名な家柄の息子だったし」
ウェルーシャ「そうなのか?」
レイガーシュ「「風神」って知ってるか?そこの長男だよ」
そう説明するとウェルーシャから「は?」という言葉が………
ウェルーシャ「「風神」ってニッポンって国の武家家系だったか?めちゃくちゃ有名な家系だよな?お前そこの血筋?」
レイフェス「家系に関係する許嫁と結婚して息子が生まれたから血は濃い」
いつの間に来たのかレイフェスがそう説明
レイガーシュ 確かに表面は「武家家系」だけど実際は全員が天使なんだけどな………
レイガーシュ「因みに白い髪なのは家系の血を色濃く受け継いだ証拠」
ウェルーシャ「ぇぇええええ」
レイフェス「強さなら当主にも匹敵する力があるが何分家系自体が解体されてしまったから、俺とレイガーシュは海外にいるんだけどな」
ヤクバ「かいがい?」
レイガーシュ そっか普通「海外」って言ってもわからないか………
レイフェス「日本をひとつの点として日本外の海の向こう側って感じだ 今は分からなくても後々分かるようになるよ」
そう言ってレイフェスは話を誤魔化す
レイフェス「ところで飯食ったか?」
3人「まだ」
レイフェス「作ってやる 何がいい?」
レイフェスは実は料理好きで数多くのレパートリーがある
レイガーシュ「オムライス」
ウェルーシャ「焼きそば」
ヤクバ「ラーメン」
レイフェス「全員バラバラか」
とか言いつつもキッチンに作るための食材や道具を置くレイフェス
レイフェス「ノーマルorトロトロ(オムライス)、塩orソース(焼きそば)、醤油or塩or豚骨or味噌(ラーメン)」
レイガーシュ「トロトロ」
ウェルーシャ「ソース」
ヤクバ「醤油」
三人一斉に言ったがちゃんと聞き取れたのかソースとインスタント麺を取り出す
レイガーシュ「俺のインスタント………」
ウェルーシャ「インスタント麺つ買って食ってたんだよお前………と言うかよく場所わかりましたね」
レイフェス「名前呼びで構わないよ レイガーシュの隠し場所は大方わかる」
レイガーシュ「さすが親父(最近インスタント高騰してて買いずらいのになぁ………(´;ω;`))」
カッコのところは言えないレイガーシュ
レイフェス「作るから待っててくれ」
と言われてレイガーシュはいつもの読書に入りヤクバはレイガーシュに構え攻撃
ウェルーシャ「裂傷痕あるんですね」
しかしウェルーシャはレイフェスの料理を見学し腕を捲ったので傷跡が見えた
レイフェス「昔少しな」
ウェルーシャ「同じ場所にレイガーシュも裂傷痕ありますよね」
レイフェス「………レイガーシュは覚えてないが昔俺がレイガーシュと出かけた時についた傷だ」
深く追求されそうになったのかレイフェスがそう説明し察したウェルーシャもそれ以降は聞かない
ウェルーシャ「器用ですね 同時に3つも料理するなんて」
レイフェス「腹減ってるだろ?待たせるのは悪い」
レイフェスは観察眼が鋭く3人の空腹を少しでも早く和らげようと三つの料理を同時進行
ウェルーシャ「レイフェスさんの料理の作り方レイガーシュとすごい似てますね」
レイフェス「基本になるやり方を教えたのが俺だからな 多分癖が似てるんだと思うぞ」
レイフェスは少し嬉しそうにウェルーシャにそう言う………似てるのが嬉しいのだろう
父と子は共にいた期間は短くともやはり親子なのである
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