上級天使

ウェルーシャ視点


ウェルーシャ「………とうとう始まった………」


レイガーシュが魔界に行ってから4日後 天使と悪魔の戦争が始まりウェルーシャはヤクバと買い物に行くのも一苦労


ヤクバ「うわっ!?」


ウェルーシャ「あぶねっ」


天使と悪魔の戦争が始まってなんとか買い物に来た2人だが何分流れ弾等が多くて買い物も一苦労


ヤクバ「ぅぅ………」


ウェルーシャ「大丈夫だ 俺が守るから安心しろ」


流れ弾等で怯えているヤクバを護りながらウェルーシャは買い物をし、ガードをしながら流れ弾等の攻撃を交わす


天使「危ない!!」


ヤクバ「!」


ウェルーシャ「ヤクバ伏せろ!!!!」


不意に聞こえた天使の声に戦闘で折れて飛んできた刀が見え咄嗟にヤクバを伏せさせ、聖剣を出した後に飛んできた刀を弾きついでに来た悪魔を斬る


天使「まさ………か………ウェルーシャ様……?」


ウェルーシャ やべ


ウェルーシャ「ヤクバ 立てるか?」


ヤクバ「うん」


ウェルーシャ「俺の背中に飛び乗れ」


ヤクバにそう言って飛び乗ってもらったと同時に翼を広げて飛び立つ


ヤクバ「!!??」


ウェルーシャ「俺元天使なんだよ だから聖剣を取り出すことができた」


ウェルーシャ そもそも翼があってこその聖剣だから翼がなかったら聖剣を取り出すことは不可能だったし


聖剣は翼があってこそ力を発揮するため翼が必要不可欠


ウェルーシャ「でも俺の顔がバレたってことはレイガーシュもヤバイな」


ウェルーシャは元天使でほとんどの記憶こそないが元天使ということは覚えている


ヤクバ「何で?」


ウェルーシャ「俺の顔が割れたってことはレイガーシュも「元天使」って可能性がある しかもあいつらは俺の名前を知ってたし、もしかしたらレイガーシュの顔を見たら戦闘になる可能性があるんだ」


ウェルーシャ あいつの俺とヤクバを見る視線は常に「息子」に与える視線………歪んだものではなく正真正銘愛情のある………


ウェルーシャはレイガーシュのヤクバと自分に向ける視線が特別なものだと知っていた………だがその理由は分からない


ウェルーシャ「とーちゃくっと………」


ヤクバ「家?」


ウェルーシャ「そー ほら早く入るぞ」


買い物の袋も忘れずに持ってきているのを確認してウェルーシャは家に入り上着を脱ぐ………翼を出しても服が破れないのは神の力のおかげだろう


ウェルーシャ「レイガーシュに連絡をしたいところだが行き場所知らねぇしな………」


ヤクバ「知らないの?」


ウェルーシャ「まぁ聞く気がないからってのもあるが………レイガーシュは疲れてると決まって2週間どっかに行くからな………聞くタイミングがないのもある」


ウェルーシャ と言っても大方の居場所わかるんだが………


ヤクバ「そう言えばなんだけどウェルとレイはいつ出会ったの?」


家に入り手を洗ってウェルーシャがおやつを作ってる時にそう聞かれて、ウェルーシャはレイガーシュと出会った日のことを思い出す


ウェルーシャ「世間体では俺が子供だったレイガーシュを助けてそこから一緒に住んでることになってるが………実際はその真逆で俺が助けられてこの家に居候って形で住んでるんだ 俺虐待されてて12の時に訳の分からないこと言われて放り出される形で捨てられて………死にかけてたところをレイガーシュが見つけて俺をここに連れてきてくれたんだ………その後事情話したら「ここに住んで俺と一緒に生活をすればいい」って言われてさ………俺が成人した後に「ここに居る?」って聞かれて「いる」って答えたらすげぇ喜ばれて………俺が出会った時にはレイガーシュは成人してから20年以上経ってたんだけど………全然老けないし身体的にも若々しくて戦闘の仕方とかも教わった………本音を言えば「父親」みたいな感覚だよ」


ウェルーシャ それと同時に命の恩人で初恋の人だけど………


しかしその初恋は失恋で終えた


レイガーシュ「ただいまー」


ウェルーシャ「おかえり 早かったな」


レイガーシュ「戦争始まったって聞いてな 早めに帰ってきた」


ヤクバ「おかえりなさーい!」


ウェルーシャとヤクバが話をしていると早めに帰ってきたレイガーシュに何があったかを話す


レイガーシュ「そりゃ災難だったな………まさか上級天使が来てるのは予想外だったわ」


と呑気に言っているが目が本気


ヤクバ「上級天使?」


レイガーシュ「天使には5つの階級があって一番下は新人階級、下から2番目は隊員階級、3番目は下級天使、上から2番目は中級天使、1番上は上級天使………その5つに分類されないのか大天使と指揮官の2つ」


ウェルーシャ「詳しいな というか室内だし服脱げよ」


レイガーシュは天使に関して詳しいのは予想できるがそれにしても詳しすぎる


レイガーシュ「簡単だよ 俺が5つの階級に分類されない「大天使」だったからだ」


そう言ってレイガーシュは上着を脱ぐ………するとそこには黒い部分がなくなり黒だったはずの白い髪が………


ウェルーシャ「…………」


レイガーシュ「思い出したか ウェクーア」


レイガーシュのその姿を見てウェルーシャの記憶に巻かれていた鎖が解け、無意識の内にレイガーシュを抱きしめて泣いていた


ウェクーア「………っ……父さん………」


レイガーシュ「辛かったな よく頑張った」


ウェルーシャ 父さん………父さん………!


記憶の復活によってウェルーシャは目の前にいるのが父親でヤクバが「弟」だと言うことを思い出す


ウェルーシャ「普通は上級じゃなくて下級天使が来るんじゃないのか?」


ひとしきり泣いた後冷静にレイガーシュに聞くとレイガーシュは「状況が変わった」と言う


レイガーシュ「大天使がいない以上天使達も頭を使っているということだろ」


と説明しつつレイガーシュは誰かに手紙を書いている


ウェルーシャ やけにヤクバに親近感抱くなと思ったら弟か………そりゃ親近感も湧くわな


と思い出したことを考えつつおやつ作りを進めるとヤクバが匂いに釣られてキッチンへ


ヤクバ「何作ってるの?」


ウェルーシャ「シフォンケーキ 今ホイップ作るから待ってて」


レイガーシュ「なんのシフォンケーキ?」


ウェルーシャ「紅茶の茶葉を使った紅茶シフォンケーキ」


ウェルーシャ クッキーでもよかったけどレイガーシュ帰ってきたしな………


相手は父だが「仲間」として育ってきた故に名前呼びの方が慣れている


〜おやつ完成〜


レイガーシュ「やっぱりウェルーシャのシフォンケーキはうめぇな………」


ウェルーシャ「それはよかっ………」


レイガーシュ「っと 大丈夫か?」


レイガーシュとヤクバにシフォンケーキを渡しレイガーシュは嬉しそうに食べていた途中に、ウェルーシャが倒れそうになりレイガーシュが受け止めるが、ウェルーシャは熱が出ていたらしくレイガーシュ少し焦った様子でソファーに寝かし、いそいそと氷水を乗っけてそばに寄り添う


レイガーシュ「力がいきなり解放されて記憶も戻ったから身体が驚いたんだろう」


ヤクバ「大丈夫?ウェル」


ウェルーシャ「大丈夫………」


レイガーシュ「ほら無理すんな 今日は家事俺やるから」


熱を出し行動不能になったウェルーシャをその日はレイガーシュが看病し家事をした………




ウェルーシャは5つの階級に分類されない「指揮官」の立場で顔が割れたということは………ヤクバとレイガーシュの顔も割れてしまうということをレイガーシュは気がついていた……

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