思ったような恋愛を獲得できない瞳子。
そんな彼女の前にセフレになることを提案する年下のイケメン礼隆が現れて……。
礼隆や越川の出現に振り回されながらも、心を強くしていく瞳子の姿が眩しかったです。
一方、辛い過去や現在を抱える礼隆も、単なる遊び人ではなく、内面はとても素直で優しい青年。
そして彼のそんな部分を引き出していく瞳子。
二人は出会うべきして出会い、お互いが自ら行動して幸せを勝ち取っていく。
本当に良い人の越川さん、彼にも幸せになって欲しいですが、読者としてはこのエンディングに大満足です。
それにしてもヒマリさんの引き出しの多さに脱帽です。
他の作品も素晴らしいですが、こんなにも大人な作品も書けちゃうとは。羨ましすぎっ!
見た目そそる女の瞳子(とうこ)は、恋愛に対して実は生真面目。そんな彼女が出会ったのは、女性と身体だけの関係をたのしむ美青年・礼隆(れいる)。
瞳子は彼に誘われるまま、セフレ契約をするのだが……。
と、もう端っから大人の恋愛話。女性のあつかいに慣れた礼降と、年上なのに純情で実直な瞳子
そして二人を取り巻くわき役たちが多彩で、彼らが織りなす複雑な相関図が二人の関係をさらに複雑にしてくれます。多彩な登場人物に彩られた本作ですが、その一人一人に人生があり、ドラマがあって、ほんっとーに丁寧に描かれています。
つぎつぎと変転していく恋のシチュエーションは、ものすごいストーリー展開で、ああ、異世界とか、宇宙の彼方から攻めてくる大艦隊とか出さなくても、読者の心を離さない物語はつくれるんだなぁと、関心するばかり。
ただ、ちょっと恋愛偏差値の低いぼくには、刺激が強すぎましたが。