越川「さぁて、どうやら遊びの時間は終わりのようだ」
フッカフカのデスクチェアから立ち上がり、彼はそうひとりごちた。
そしてもう一度、デスクチェアに座り直した。
立ち上がった動作には何の意味もない。
しかし座った姿勢の彼は確かに立っていた。
そう、雄々しく、猛々しく立っていたのだ。
越川「では始めるとしましょうか」
彼は最近色々あって、独り言を呟く癖がついていた。
それは色恋を妄想し、独り上手を始める前となると尚更激しい。
徐ろにエルメスのズボンに施された純銀のフロントジッパーに手をかけたその時。瞳子のバッグに仕掛けておいた盗聴装置から、音声が聞こえて来た。
ザザッ…瞳子さ⛆⛆やべえ⛆⛆⛆⛆奥⛆から溢れてきて⛆⛆
ザザッ…私が全部受け止める⛆⛆ザザッ…
それを聞いて彼の雄々しさと猛々しさは嘘のように消えてしまったが、彼の中で何か得体の知れないモノが産まれつつあった。
作者からの返信
ちょwww
昨晩、寝落ちに抗いつつ渾身のエロシーンを書いていたときにこのエロコメが入ってきて、笑って脱力しましたよwww
やはり発想力(と書いて「エロ」とルビをふる)でも詩さんの足元にも及びませんね(´∀`*)
というわけで、第29話のガラナさんの応援コメントに詩さんのここのネタを使わせていただきましたのでご了承ください♬
越川「……もう、ここらでよか」
越川派一同「「「「!? 越川さんッ!」」」
越川「君たちは落ち延びよ。落ち延びてその先で語って欲しい。不様な漢の生き方を。漢の有り様を……」
越川派「そ、そんな。諦めないでください! 最後の独りまで戦い抜きましょう! 我々にはその覚悟があります。ここで諦めては先に散った同胞達にむけて顔向けが――」
越川派「そうです!」
越川派「そのとおりです! まだオレ達はやれます!」
越川「もうよい。どこまでいっても私達は勝てないのだ……そのことを私は悟った。ヴィジュアルという神の生み出した、悪意(線路)には勝てぬ……運命という苛烈なレールには……」
越川派「「「ヴィジュアル……」」」
作者からの返信
越川派「そんなレール、俺は認めねえ! 爆弾仕掛けてぶっ潰してやる!」
越川「やめろ、ハイロック! 作者という神には誰も逆らえぬのだ。たとえそのレールを破壊しても運命(ヴィジュアル)は如何ともしがたい」
越川派一同「「しかし、越川さんッ! このまま泣き寝入りするよりも、少しでも爪痕を残してやりましょうよ! そのためなら俺達もハイロックのように体を張ります!!」」
越川「みんな……不甲斐ない俺のためにそこまで……。承知した。この越川、一世一代の大立ち回りをしてこよう」
越川派「越川さんはやはり漢だぜっ」
越川派「骨は俺達が拾います! どうか最後まで華々しく越川イズムを咲かせてください!」
──越川派一同の悲痛なエールを背に、越川は最後の戦いに挑むのであった。
(ハイロック様のコメントとコラボさせていただきました!)
今回はセリフオンリーの回でしたね。
礼隆くん、こうしてみると、自分で作った殻を色んな理屈を積み上げて必死に守ろうと足掻いてたのかなと思いました。さらには、足掻いていることさえ見せないようにチャラくしてたのかもしれませんね。
瞳子さんも、ようやく想いを伝えることができましたね。瞳子さんも色んな殻に閉じこもっていた分、さらけ出してアタックした感じでしょうか。
ようやく互いに向き合うことになった二人、このまま幸せな流れになって欲しいけども、まだ何かありそうな気もします(^_^;)
※前回のコメントで割愛した内容ですが、時間があったら記事にしてみますね!
作者からの返信
はい。思いきって会話のみにしてみました!
元々細かく描写を入れている(つもり)なので、このやり取りに地の文を挟んだら冗長になるかなぁと考えたのですが、このやり方が効果的であったかどうかについては不安だらけです(;'∀')
互いにかぶっていた殻を破って思いの丈をぶつけた感じですね。
礼隆が恋人を作らずに他人に踏み込ませなかったのは、愛情が信じられないという過去のしがらみと共に、自分の脆くて弱い部分を見せたくなかったのが理由だと思います。それを悟られまいとチャラいモテ男を演じていたのかな、と。
瞳子も自分の見た目にコンプレックスがあったので、誠実で貞淑な女性でいようと思うあまりに「自分はこうあるべき」という姿に囚われていたところがあります。礼隆と向き合うことによって、本当の自分の気持ちや「こうありたい」という行動を素直に表せるようになったと思います。
こうしてお互いの本当の姿を曝け出したわけですけれど、塾長の予想が鋭すぎるので、この先の展開についてのコメントは控えさせていただきたいと思います(笑)
※ぜひぜひ、その点についても御指南いただけたらありがたいです(*^_^*)
塾長もお忙しいので、もちろんご無理のない範囲で!
なんだかパズルがピタッとあった感じしますね!
作者からの返信
このやり取りを通して、あのシーンでは礼隆はこう考えていたのか~と納得していただけると、作者としても嬉しいです(´∀`*)