第25話
狭いソファで二人縮こまったまま、眠ってしまった
目を覚ますと可愛い彼女の寝顔が横にある
時計の針は23時55分
あっ、そうだ!
「美桜、起きろ、早く」
「うーん、何ぃー?」
「何、じゃねぇよ。起きろって」
なかなか起きない彼女
ようやく寝ぼけ眼でソファに座った
「ぶっ、間抜けな顔、こっちこい」
彼女を腕の中に閉じ込めた
「美桜、0時になったよ。
お誕生日おめでとう」
瞼にキスを落とす
「ごめんな、プレゼント用意出来てなくて」
そう言うと彼女は嬉しそうに笑って答えた
「うううん、もう、いっぱいもらってるよ。
私は拓と出会えてたっくさんのものをもらったんだよ。
ありがとう。
伝えきれないほどのありがとう、なんだ」
そんなキラキラした目で言われたら
何て言っていいかわかんないだろ
「ハハ、じゃあ、俺ってすごいじゃん。
美桜、お前いい男見つけたな」
「うん。さいっこうのね」
本当なんだよ
あなたと出会って
私は生きてるって、感じられるようになったんだ
照れてる拓が愛おしくて、手を伸ばしてキスをし、彼にお願いした
「ねぇ、プレゼント…ほしい」
「だから、今日はほんっとごめんって」
「違うの…」
それ以上言えず、じっと彼を見つめた
「え?美桜、マジ?俺ってこと?」
恥ずかしすぎて、俯いた
顔が熱い
「お前なぁ、どうして、そんな可愛いこと言うかなぁ」
私の手を引いて2階に上がった拓
「ここの方がプレゼントゆっくり堪能出来るだろ?」
「うん」
「うんって言ったな」
「いやっ、あの…」
「もう、遅い。はい、どうぞ、プレゼント」
ベッドに横になる彼
「私が?無理だよぉ~、ねぇ、拓が…して」
寝転がる拓の身体を揺するとニヤリとして、起き上がった
「ふーん、じゃあさ、今日お誕生日のお姫様はどうしてほしいんですか?」
「もっ、そんなこと聞かないでよ。拓の好きなようにして」
「美桜、今、すっげぇこと言ってんのわかてる?」
「え?そうなの?」
キョトンとする彼女の口を塞いだ
純粋なのか、小悪魔なのか、
彼女のその透き通った瞳は俺を狂わせる
愛してると何度も何度も
心と身体で叫んでた
美桜の細く華奢な身体は
そんな俺をしっかりと受け止めてくれた
穏やかな温もりが安心出来る
抱きしめ合うお互いの体温が心地よくて
久しぶりに深い眠りについた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます