第17話

部屋に戻ると拓海くんはもう一度包み込むように私を抱きしめてくれた



「なぁ、美桜、俺のものになってくれる?」



腕を緩めて髪を耳にかけながら顔を覗きこむ



「いや?」


首を横に振った



「いやじゃない…けど…」


セーターを少し捲ってお腹の傷を見せた


「…気にしてるの?」


「うん」


「俺がそんなこと気にする訳ないだろ。

美桜は美桜だろ?」



彼は私を抱き上げてベッドに寝かせると傷に優しくキスをする


何度も何度も拓海くんの柔らかい唇がお腹に感じる



「ンっ」


思わず漏れる声を手の甲で抑えた


「声、聞かせて」



セーターを捲り上げて、彼のキスがどんどん上に…


久しぶりの行為に身体がフワフワとし

気が付くと何も纏わない姿になっていた


「拓海くん」


見られるのが恥ずかしくて彼に抱きついた


「隠さないで見せて…綺麗だから」



私を離して見下ろすと

おでこ、瞼、頬に優しく

唇には荒々しくキスを落とし、

次第に激しくなってくる


片手で胸の敏感なところを弄ぶように触れていると思ったら、滑るように下りてくる



「美桜…もう、こんなに」


「やっ、だめ」


唇と舌で刺激され、何度も達した



ゆっくりと繋がると

奥まで確かめるように揺れる彼の動きに頭が真っ白になった



拓海くんの息が上がってくる



「拓海くん

たく…もっ、はぁ」



「美桜…俺も」



ぐったりと横たわった彼


すぐに私をぎゅーっと抱きしめて言った



「美桜、拓って呼んだね。

すっげぇ、嬉しい」


抱きしめる腕に更に力をこめる




「やっと、俺の美桜になった

…………愛してる」




そう言って微笑んだ拓の笑顔が

私にとって、

最高のChristmas presentだった

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