プロローグ:ANHUI401_若旦那編

 程なく、それは若旦那の目に止まった。飛行している旅客機の窓から着陸する空港が見えるだろうの距離。見たことのない構図だなと感じ(た若旦那は)一際高く真新しいあの建物がANHUI401かって、心でつぶやく。程なくというのは、少し前に招待状と同封されてたパンフレットをなんとなく見返していたからである。

 若旦那の記憶が正しければ、パンフには文字通り401階で高さ2000m超えるという記述とともに注意書きで塔や実験用宇宙(軌道)エレベーターのような総延床面積が大きくない人工建造物を除き、その高さはダントツで世界第一位と書かれていた。高さもすごいが、

一位を謳うのもなかなか大変のようだなぁと若き実業家は少なからずお節介な気持ちになる。

 印象的な謳い文句は他にもあって、『最寄り空港から4時間以内、北半球なら3時間かかりません』みたいな白抜きのキャッチフレーズを高級な印刷仕様の中に見た覚えがある。曖昧な根拠に関わらず、パンフレットを手にする者を思わず唸らせる表現と感じた。何でも、もうすぐ降りることになるアジア最大のハブ空港から然程遠くもないのにリニア鉄道に直結されているとかで確かに、らしき建造物が超高層ビルとは対照的に横たわっているのが見える。

 何だかんだ言ってパンフレットの内容が想像以上に頭にインプットされていることに驚く若旦那。乗り気でなかった、今回の半ビジネスに、些かの興味を持ちはじめた自覚。

(つづく:このプロローグは書きかけです。)

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