第2話(番外編)夢見る頃を過ぎてもなお
風呂に入ると、必ずやることがある。それは、私自身の下半身に蠢く藻を手繰ってアワビの形を確認する事だった。
時折、鏡で見るなんて恐ろしい事もした。そこには、ゲゲゲの鬼太郎の妖怪みたいな顔したヤツが潜んでいた。想像以上に、グロテスクで自分で自分に引いた位だ。
なぜ、男は女のこんなグロテスクなものが好きなのか?こんなモノ見るために、必死で口説いたり高い金だしてご馳走とかするんだろうか?
ねぇ、ねぇ。正直、そこまでの価値あるの?これ?
なんで、こんなもんにさ。自分のあんなものを入れたいと思うの?男って。
35歳。独身。腐女子。喪女。処女。行き場のない思いは、そんな由香里を苦しめたのだ。
SEX依存症の真弓は、恥じらいとか無いのかしら?こんなものを、色んな男と知り合っては気軽に見せれるなんてさ。真弓は、本当に色んな男と知り合ってはすぐ寝てしまう女だ。本当に、来るもの拒まずすぎる女で、結婚相談所とか出会い系サイトとかね。
色々登録してて、沢山メール来るらしいんだけど、自分の事をモテるとか勘違いしてんのね。でも、実際はただ男達に体目当てで利用されまくっているだけ。
麻里子が、陰で「コカンのフリーパス」ってアダ名つけてた位だから。
本当。あんなものを、ネットで知り合ったばかりの男達に、簡単に見せれるなんて。どんな神経してんのかしらね?さては、真弓のアワビは私みたいな水木茂ワールドみたいなのじゃなくてさ。すんごい、すんごい綺麗なんじゃないの?なんかもう、ベビーピンクみたいな色でさ。なんかもう、それだけで恋愛運アップしますみたいな。
または、真珠とかアソコに埋めてんじゃないの?ここにピアスする人とか、たまにいるっていうしさ。
「さあ、どや!見てみ!」みたいな、自慢の代物なのかもしれないわ。
で、匂いとかもさ・・。私のは、何と無く臭いなって思うの。たまに、女の子の日が来ると「血生臭い。ああ、妖怪祭りだわ」と、胸騒ぎがするの。
でもさ。真弓のはきっと、いい匂いするんじゃない?せっけんの香りとか、無駄にするんじゃないの?私には信じられない。ああ。私には怖い。恥ずかしい。む、無理!無理よ!
好きな人が出来て、ああやっとこの人なら抱かれてもいいと思える人に出会えて最後の最後に、パンツ脱いだら水木しげるワールドだなんて。
ケ・ケ・ケケケのケ。ケを辿れば大妖怪。グーロイな。グーロイな。私のには男も。痛みも何にも知らない!・・・って。ああ、またくだらない替え歌歌ってしまった・・。こうして、私の第1058回、風呂場妖怪祭りは今日も処女のまま終わるのであった。
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