2018年1月15日

 夢を見た。

 四年前に亡くなった父が、ざんくろーさんのリードを持って歩いていた。

 きちんと背広を着て、眼鏡をかけて。

 ざんくろーさんはおとなしく父の後を歩いている。父は途中でひょいとざんくろーさんを抱き上げた。顔と顔が同じ高さになるくらいに。

「重くはないんですかお父さん。その犬、10キロあるんですよ」

「重くないよ。会った時は子犬だったからね」

「そう言うものなのですか」

「そう言うものなんだよ」


 私と夫とかかりつけの獣医さんと実家のブリーダーさん以外にはリードを持たせず。

 私以外の人間の後を歩かない犬が、父に連れられておとなしく散歩をしている。

 私はもう、あの子のリードを引くことができない。


 起きてから、少し泣いた。

 初七日の日の朝。


 今日一日はなーんにもしないでだらだらと過ごした。

 ざんくろーさんを失ってから初めて、フルで何もしない日だった。

 けっこう大仕事なのだ。体重10キロの犬をきちんと葬るのは。

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