2018年1月12日
午前中は(人間の)病院へ。持病の定期通院。滞りなく診察を受け、薬を受け取り、帰路につく。
途中、ローソンに立ち寄ったが入る直前に店員さんがドアに張り紙をした。
「当店の仮面ライダースピードくじは終了しました」
それが目当てだったのに!
うーわーっ。ほんとにあるんだ、こーゆーベタなシチュエーション。
ドラマでよくあるシーンだけど、現実に体験したのは初めてだ。
午後、注文したメモリアルカプセルが届いた。
今日届いたのは私が自分用に選んだもの。ステンレス製の管状のペンダントで、中に遺骨や遺髪を入れて密封できるようになっている。人間・ペット兼用の商品も多いが今回はペット用を購入した。
ざんくろーさんは冬に来て、冬に去った。家に来た年、南国には珍しく雪が降った。
だから、雪の結晶の模様を選んだ。
銀色の本体刻印した文字は、『2018.01.08 my dog ザンクロー』。
名前の前に何を刻むか迷った末のMy dog。「マイドッグ・スキップ」からとった。
お別れの日も、時が立てば記憶はあいまいになる。ペンダント本体が小さいから字も必然的に小さくて、眼鏡を外して眉間に皺を寄せてようやく読める。だがはっきりと形に残しておけば、忘れない。
細い管の中に、遺された牙と、雪のように白い毛を封入する。
相変わらず指に刺さるくらいにごわごわの剛毛で、フタを閉めるために短く切らなければいけなかった。
首にかけると、落ち着く。
「ここに居るんだ」と安心する。同時に確固たる現実が胸に重く座を占める。
『ここに居るのだ』と。
それでもやっぱり話しかけてしまうのだ。ケージの中、こたつの中、背後に、足下に。
ペットサークルのゲートも閉めずにはいられない。
作業の合間にモバイルバッテリー充電用の短いライトニングケーブルが行方不明になる。
どこに置いたのかまったく思いだせない。頭の中で、あちこちの回線が切れてる。
いつもできるはずのことが、微妙に狂っている。
もっとも微妙、と言うのはあくまで自分の認識であって、夫の目から見ると今の私は「かなりやばくて一人で歩かせるの不安」なレベルなのだそうだ。
確かにやたらとふらついて、立ち上がる時どこかにつかまっている。
いつ泣き出してもいいように、常にタオルハンカチを持ち歩いている。
猫はずっと、ふて寝していた。
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