夢の特許生活ー霊視メガネー

第14話 オカルトグッズはもうかると？

　司（つかさ）からSNSメッセージが届（とど）いた。

「アパート経営中（けいえいちゅう）。入居者（にゅうきょしゃ）１号（ごう）、オカルトオタク。彼（かれ）がメガネ、使（つか）ってる。」

　確（たし）かに、パワーストーンや風水（ふうすい）など、昨今（さっこん）オカルトグッズは人気（にんき）だ。オカルト関連（かんれん）の商品（しょうひん）として売（う）れるかもしれない。ただ、一般的（いっぱんてき）なメガネが千円程度（せんえんていど）なのに１本（ぽん）につき１万円（まんえん）はかかる。

　友人（ゆうじん）の弁護士（べんごし）に相談（そうだん）したところ、それだけ高額（こうがく）だと、霊（れい）が見（み）えると表示（ひょうじ）すると消費者団体（しょうひしゃだんたい）や宗教団体（しゅうきょうだんたい）からクレームがくるだろうといわれた。そこで、『霊（れい）が見（み）える？不思議（ふしぎ）めがね』として販売（はんばい）することにした。現在（げんざい）、この国（くに）では霊（れい）は存在（そんざい）しないことになっている。そのため細々（ほそぼそ）と自社生産（じしゃせいさん）でまかなっている。

　その後（ご）、祐二（ゆうじ）は日本（にほん）に失望（しつぼう）しアメリカへ渡（わた）った。そこでも彼（かれ）の特許（とっきょ）が霊（れい）センサとして認（みと）められるようになるのは、まだ当分先（とうぶんさき）の話（はなし）である。