夢の特許生活ー霊視メガネー

第10話 お山の幽園地

「地縛霊（じばくれい）のいるところに、お化（ば）け屋敷（やしき）を作（つく）ったらいけるかな？」

　遊園地（ゆうえんち）の小（ちい）さなお化（ば）け屋敷（やしき）を見（み）つめながら祐二（ゆうじ）は考（かんが）えていた。

　霊（れい）には浮遊霊（ふゆうれい）と地縛霊（じばくれい）がいる。浮遊霊（ふゆうれい）は捕（つか）まえておけない。地縛霊（じばくれい）ならば、その場所（ばしょ）から動（うご）かない。

「いっそ、山奥（やまおく）に遊園地（ゆうえんち）を造（つく）って、幽園地（ゆうえんち）ってのはどうだ。」

　その発想（はっそう）はすぐに否定（ひてい）された。成仏（じょうぶつ）されたら、みせる地縛霊（じばくれい）がいなくなってしまう。

「もっと、安価（あんか）に造（つく）れる施設（しせつ）でなければ成（な）り立（た）たないな。」