建国神話

その昔、ユート国があった場所には魔女がおりました。

森の中央、魔城アニティカに住み、多くの魔物を野に放ち、たくさんの人々の命を奪いました。

家族を失い、魔物におびえて暮らす人々の生活は幸福とは言えませんでした。



そんな中、一人の少年が立ち上がったのです。

「私たちが魔女を倒そう。」

勇者は、周辺に暮らす人々を率いて国を創りました。

「みんなで力を合わせれば、魔物におびえることのない暮らしもつくり上げることができる。」

彼の行動は多くの人々の心を動かし、魔女に立ち向かおうとする心が生まれました。

こうして彼この国を「ユート国」、平和の国と名付け、自分にもその名を付けました。

「必ずこの国を平和にする。この名前は誓いだ。」

その時、どこからか声が聞こえてきたのです。

それは、この森に棲んでいる名前の神様の声でした。

「これから、この国で育つものにはその名にふさわしい魔力が宿る。」

このときから、ユート国で大切に名前を付けられた人や物には、魔力が宿るようになったのです。


それからしばらくは、物理的な力で魔物と戦う日々が続きました。

神様から与えられた魔力を、誰も活かすことができなかったのです。

そんななか、魔物に対抗できる強い魔力を持つ少女が現れました。

少女が強いという事実は、男だけが、大人だけが戦えるという意識を変化させてゆきました。

魔物を倒しながら暮らす生活が続く中、魔物を生み出す魔女を倒せないか、と人々は考えるようになりました。

人々は、最も強い魔力と力の持ち主として少女にアニティカに行ってもらおうと考えました。

しかし、少女は一つの魔法しか使えない自分に魔女を倒せるのか、と不安になりました。

このころには、たくさんの人が自分の魔力を活かせるようになっていました。

道具を作る人、魔法の研究をする人…さらには国の人々が安心して暮らせるよう、植物や動物に魔法を使おうとする人々も現れました。たくさんの人が、国のために自分が行動しなければならないと考えていたのです。

少女は仲間を集めることにしました。

魔法がこんなに発達したユート国を本当に平和の国とするため、その力を貸してほしいと多くの人に頼みました。

すると、6つある魔法のそれぞれを使うことができる勇者が、少女のもとに集まったのです。

勇者は多くの人の助けを得てアニティカの魔女を倒し、帰還しました。

その後、王様ユートは

「せっかく発達した魔法を絶やしたくない。学校を創り、そこで皆に魔法やその勉強を教えてくれないか。」

と勇者たちに告げました。

そうして「騎士院」が創られました。

魔物におびえることなく、たくさんの人が自分の魔力について知り、成長することができるようになったのです。


ここから魔法の研究はどんどん進み、1つだった学院は4つに増え、現在皆さんが暮らすユート国に成長したのです。

騎士院では、男女ともに戦えることを示すため、彼らをモデルにした一対の男女を校章にしているのです。

同じように、学術院では魔力の研究を、調度院では魔法の道具の開発を、また風土院では自然との共生を行い勇者に貢献した国民に敬意を示し、原初に使われていた道具がモチーフになった校章を掲げています。

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