第5話


 古の大戦で1人の魔神王が倒され、5人の魔族が女神によって封印された。

 古の大戦とは女神族と魔族との間に起きた戦争。

 100年という今までで起きた争いの中でも圧倒的に長く続いた争いである。

 両種族は力を失い魔族は封印され女神族は力を失ったために長い眠りについていると言われている。


 魔神王直属護衛隊。五神の王。

 魔神王直属の護衛をする特殊部隊。

 一人一人が魔王に匹敵するほどの力を持つと言われている。

 だが100万年前の古の大戦により女神族に封印された。

 アルギスはこの五神の王を復活させようとしているのだ。

 アルギスは皆にはああ言ったがガーラの谷底に五神の王が封印されているという確信がなかったのだ。

 約500年前に見つけたとある書物によって魔神王の存在と五神の王の存在を知った。

 だが今は亡き魔王とガーラの谷底に向かうために旅に出たが見つかることは無かった。

「今見つけねば魔族が滅んでしまう」

 不安と焦り。その2つの感情がアルギスの中にはあった。

 今まで感じたことのない感情だった。


 あれから何日が経っただろうか。

 歩き疲れて思考が今にも停止しそうだ。

 顔にははっきりと疲れが滲み出ているほどだ。

「我らのためにも......見つけねば......」

 そう言って一歩を踏み出したその時。

 身体が崩れるように落ちて意識を失いかけた。

 鼓動の音が明確に聞こえかつゆっくりと小さくなっていくのが分かった。

 途切れゆく意識の中で彼は見た。

 目の前に現れた石碑と5人の影が。

 そしてアルギスは気を失った。

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