空中庭園の物語5


change the world

色彩が

光の雨が降って

塗り替えていく


change the word

産声が

その第一声が

どんな言葉であっても


僕と君の魔法になる。


孤独でした。

一人ぼっちでした。

誰もいないと思っていたのに

ずっと空中庭園を彷徨っていたのに

空中庭園の残骸を見やりながら

部品を踏み潰して

多分、コントロールパネルの上で

僕は君にキスをした


change the world

ガラクタだらけの世界に

落書きするように夢を描いてさ

それから君をいだいてさ


change the word

ウソだらけの言葉を紡ぐ

夢物語を積み重ねて

砂浜に足跡を重ねて


踏み込んだ、その先には

デジタルサイネージで表現できない

本物の空


だけど僕は君の横顔ばかり見て、上の空で


子どもたちに手を振って

龍は飛び立つ

妖精が舞って

手と手で伝わるぬくもり

それを魔法って、きっと言うんだ


change the world

色彩が

光の雨が降って

塗り替えていく


change the word

産声が

その第一声が

どんな言葉であっても


僕と君の魔法になる。



change the world,

change the word,

空中庭園の物語、その後に続く物語。僕と君の物語。僕と君から始まる物語。もう始まっている、そんな物語。言葉で改めて言い表さなくても。産声が、その第一声が、どんな言葉であっても、僕と君の魔法になる。



空中庭園の残骸を見やりながら

部品を踏み潰して

多分、コントロールパネルの上で

僕は君にキスをした

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