交響曲八百八十八番


交響曲八百八十八番



すれ違って

差し違って

突き刺した言葉がなんて痛いの


交わして

響かせたい

音楽は

一緒なのに


言葉じゃないの

音にならないの

どこまで巡っても届かないの


夢見が悪いような

悪酔いのようで

このまま終わるの?


交わせて

響かせたい

言葉なら一緒なのに?


繋がることを諦めたら

いっそ楽でしょう?

この想いなんか

なかったことにしたら

どれほど楽でしょう?


知らない

いらない

聞こえない

そう言えたらね


交わして

響かせたい

音楽は

一緒なのに


言葉にならない

音にならない

どうにもならない

どこまで巡っても届かない?


言葉を解いて

紐解いて

本音を晒す努力なら

まだしてないのに?


言葉にならなくても

音にならなくても


響く音がここにあるから、

そんな顔するんでしょう?


言葉じゃないの

音にならないの

どこまで巡っても届かないの

そう思ったら

最初から届かないの


紐解いて、紡いで

声にして、音にして

言葉にして

はじめるのよ


すれ違って

振り返って

君の言葉に、枕詞を添えて


あえて伝えて

紐解いて、紡いで

声にして、音にして

言葉にして

はじめるのよ


僕と君の

交響曲八百八十八番を――。

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