再会


また会えたね

時間層の断崖で

巡り巡る

巡礼の聖地で

神像は冷たく微笑む

絶対零度

水が凍る瞬間

時代が廻る螺旋の彼方

蝶が舞う



また会えたね

両手ほどの空を君と見上げて

星を数え上げる

流れ星

箒星

線を引いて

描く文字が魔法の始まり

干乾びて

古の呪文のように

何気なく忘れた歌言葉

思い出して



また会えたね

淡い青の妖かしの花

抱きしめて

暁の紅、血塗れた大地赤茶けて

歩いた

歩いた

躓き

見上げた空

何一つ変わらず

雲が流れて

星は煌き

陽は昇り沈みそして繰り返す

繰り返し

繰り返し

繰り返せない

雫の滴り

見上げて

見上げて

見下ろし

息を吸い、吐き

呼吸して

言葉かわして

虚ろいながら

繰り返し

繰り返し

繰り返せない



また会えたね

もう会えないから

そんな夢ばかり時間層の断崖で追いかける



また会えたら

君に届けよう

七つの世界を越えた英雄達の物語

その一人、まぎれもなく君が語らう小さな伝説

鼻歌交じり



また会えたね


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る