共闘

スウェルタ視点


スウェルタ「…………」


レギスと出かけた次の日から仕事に復帰したが何分やりきれないことがあるのか………食堂で足を組んで手首を触って目を伏せている


スウェルタ『………師匠………?』


師匠『レオン………逃げろ!!!』


スウェルタ『師匠………!!!!』


レイガ『レオン行くぞ………!!』


スウェルタ 師匠は俺を守って死んだ………あの場所で………


カルス「スウェルタ様」


スウェルタ「カルスか………」


カルス「タイミングが悪く申し訳ありません 個人の依頼が来ました」


スウェルタ「内容は……?」


スウェルタ 思い出しちまったな………


スウェルタは師匠を失った日のことを思い出し肩の銃撃痕が痛む


カルス「敵組織の壊滅です 敵組織の「レミーア」の者も居ますが鉢合わせしなければ問題ありません」


スウェルタ 「レミーア」の構成員がいるのか………鉢合わせなければ大丈夫ったって難しいぞ………


スウェルタ「報酬は?1人でやるってことはそれなりに量を貰えるんだろ?」


カルス「50億です」


スウェルタ「了解 位置情報を頼むぞ」


カルス「お任せ下さい」


スウェルタはカルスにそう言って食堂を出ていき自室に戻って戦闘服へ


スウェルタ「ここから結構遠いな………」


スウェルタの戦闘服は正式な場でない限り組織の服を着ない為自分専用の戦闘服で、頬の傷跡を隠すために必ず口元まで隠す布にサングラスを付けている


スウェルタ「…………」


戦闘服に武器を入れバイクに跨ってエンジンを入れて走り出す


スウェルタ「成程………俺だけが呼ばれた理由はこれか………」


1時間程バイクを走らせ場所を特定させたスウェルタはサングラスを取り組織を少し観察


スウェルタ「大まかにはわかった」


スウェルタはそう言って不死能力者のみが持てる瞬間移動能力を使って組織内部に潜入


スウェルタ「面倒だな………」


スウェルタ 人員の量が多いな………


そう思ったスウェルタは瞬間移動で持っていた手榴弾(しゅりゅうだん)を使って、その場にいた多くの人員を殲滅(せんめつ)していく


敵「なんだ!?敵か!!??誰か首領に連絡を……ぐはっ」


スウェルタ「うるせえ」


スウェルタは異常な迄に目が良く煙が待っている場所でも敵の場所がわかる


スウェルタ 敵の数はこの階で5300、上の階全部は見た感じ200万はいた筈……結構きついな………毒を塗ったナイフも制限がある上に銃もマガジンに制限がある………投げナイフはこの前新調したばっかりで手に馴染んでない………いつものサバイバルナイフはさっき敵を倒す時に、刃物用にコーティングされた防具を着ていたせいで刃こぼれして研がなきゃならないし………刀は銃撃には向かない………手榴弾は残り25で煙玉は5、月光玉は10………必要最低限度に出費は抑えたいが………後々首領に請求しよう………


大方の敵を殲滅しつつスウェルタは冷静にそう考え急速に敵を消していく


スウェルタ「!」


スウェルタ しまっ………


不意にスウェルタの背後に気配を感じ咄嗟に銃を向けたのだが………


スウェルタ「………レイ?」


レギス「スウェルタ?」


後ろにいたのはレギスで本人も驚いている


スウェルタ「なんでここに………」


レギス「スウェルタこそ………」


仕事中にレギスと会うとは思わなかったスウェルタは銃をしまうが………


スウェルタ「危ない!!!!」


嫌な気配を感じたスウェルタがレギスを押し倒すような形で庇うと………天井が突然崩れだしスウェルタの身体に天井の部品等が落ちてきて痛みで気絶


レギス「スウェルタ?スウェルタ!!」


スウェルタ「………レイ?」


スウェルタ 身体中痛てぇ………気絶してた………


レギス「良かった意識が戻った………」


スウェルタ「どの位意識がなかった………?」


スウェルタ ここどこかの部屋だな………電球がないってことは物置か………?


レギス「2日」


スウェルタ「2日も!!??」


スウェルタ 嘘だろ………最悪の場合俺死んだことになってるぞ………!?


レギス「しっ 敵にバレる」


スウェルタ「もしかしてずっと敵の組織の中のままなのか?」


レギス「逃げ場を封鎖されて………」


スウェルタ マジかよ………


スウェルタ「………今痛みを消すから少し待ってくれ」


何とか痛みだけでも消したスウェルタは少し落ち込んでいるレギスの方を見る………


スウェルタ「レイ 大丈夫か?」


レギス「え?」


スウェルタ「元気ないぞ」


立ち上がって銃を構えて扉の方に行ったスウェルタがそう言うとレギスは小さくため息


レギス「私もスウェルタと同じ同業者なのに………護られちゃったなって」


スウェルタ「一々気にしてたらキリないぞ」


レギス「…………」


スウェルタ「今は共闘していかないと仕事が終わらないし生き残れないぞ」


スウェルタ 早く外部と連絡をしないと………


早く連絡をしないと本当に死んだことになってしまうので急ぎたいスウェルタ


レギス「うん」


そしてレギスもスウェルタの言葉を素直に受け取り共闘体制へ


スウェルタ「行けるか」


レギス「行けるよ」


スウェルタ「OK Let's……go!!」


スウェルタの声と共にレギスはスウェルタと扉から飛び出して背中合わせで共闘


〜8時間後〜


レギス「後は最上階だけ………」


スウェルタ「結構………きついな」


8時間後 漸く残り最上階にまで達した2人だがスウェルタは負傷部を放置しているので、背中と骨から激痛が走っていて視界がぼやけ始めている


スウェルタ「着いた 行くぞ」


最上階に着くや否や猛ダッシュで敵を殲滅していき首領の所へ


スウェルタ「………死ね」


レギスと共闘しているのもあり素早くて気の殲滅を終え敵の首領を倒す


スウェルタ「レイはこれからどうするんだ?」


レギス「仕事自体は完璧に終わってたからそのまま帰るけど………」


スウェルタ「?」


レギス「これ」


戦闘が完全に終わり外に出たレギスにスウェルタはあるものを手渡される………渡されたのはレギスが常に持っていた十字架のネックレス


レギス「…………」


スウェルタ「…………」


レギス「助けてくれたから」


スウェルタ 姉さんなりの感謝の気持ちか………


スウェルタ「………ならこれ」


スウェルタ 俺も気絶してる時に助けて貰ったんだろうし………


レギス「小太刀?」


スウェルタ「いや双剣 片方ずつ持ってれまた共闘する時に誰だかわかるだろ?」


レギス「そうだけどいいの?」


スウェルタ「渡してくれたネックレスはレイなりの感謝の気持ちだろ?」


そう言ってニカッと笑うとレギスは頬を染めて顔を逸らす


スウェルタ「じゃあ俺バイクあるから」


レギス「うん」


スウェルタ「再来月に俺1週間休みだからまた会おう」


レギスにそう言い残してスウェルタは痛みと格闘しながら組織の地下駐車場に到着


スウェルタ「やべ………」


バイクを降りた直後に激痛が走りそのまま倒れ込む


ユレイト「?何だ?………!!スウェルタ!!!」


たまたまユレイトが駐車場の見回りをしていた為に、倒れた音でスウェルタがいることに気が付き急いで医務室へと運ぶ


カルス「スウェルタ様!!!!」


首領「馬鹿怪我人に響くだろ 大声出すな………つかお前仕事はどうしたんだ」


カルス「様態の方は……… そんなもん放棄しましたよ」


スウェルタが医務室に緊急で運ばれたと知り仕事を放棄したカルスに首領は苦笑


ユレイト「かなり酷い 背骨に4箇所もひびは入ってるし内蔵も破裂………身体中に打撲や内出血、切り傷があった………その状態でここに帰ってきたんだから相当なものだよ」


しかし包帯ぐるぐる巻きで眠っているスウェルタの表情は穏やか


ユレイト「何か良いことでもあったのかねぇ 痛みを感じてないような顔してるし」


まるで「幸せ」というかのような顔にユレイトは何かを感じ取ったが敢えて言わない


スウェルタ 超幸せでした


実は意識は戻ってきたがまたすぐに眠ってしまったスウェルタ






スウェルタにとってレギスとの共闘は「幸福」そのものなのだ

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