その瞳の奥

レギス視点


※短いです


レギス「スウェルタ!」


スウェルタ「よっ」


レギス 半ば無理やり予定組ませちゃったけどちゃんと来てくれた………


先週スウェルタの寿命を知って半ば無理やりスウェルタの予定を組ませてしまったが、スウェルタは特に何も感じていないのかレギスの言った時間より先に(レギスよりも先に)来ている


スウェルタ「くしっ………」


レギス「大丈夫?どのくらい待ってたの?ちょっと手貸して」


スウェルタ「5分くらい前なんだが………今日寒いな………レイの手あったけぇ………」


レギス 耳まで赤くなってる………手も冷たいし


寒さで耳と手が冷たくなり赤くなりつつあるのでレギスは近くの自販機でお茶を買う


レギス「はいこれ」


スウェルタ「ありがとう」


レギス「今日行きたい場所があるんだけど良い?」


スウェルタ「全然良いよ ………あちちち」


レギス 猫舌………


スウェルタが貰ったお茶を飲もうとして飲んでみたら猫舌らしく「熱い」と言う


スウェルタ「舌火傷した(´;ω;`)」


レギス「(可愛い……)」


スウェルタの猫舌と言い話し方といい見た目とギャップがありすぎる


スウェルタ「レイ どこ行くんだ?」


レギス「ん?着いてからのお楽しみ(*^^*)」


お茶を飲み終え2人は歩き出しスウェルタはレギスの2歩後ろを歩く


スウェルタ「((>д< ;)))」


レギス「スウェルタって寒がり?」


スウェルタ「少しな」


ちょくちょくスウェルタの方を見ていたレギスはスウェルタが寒そうに震えていて、もしかしてと思い聞いてみると案の定寒がりらしい


レギス「私寒くないから」


スウェルタ「え?」


レギス「首が暖かければ少しはマシになるかなって思って」


レギスは寒がっているスウェルタに自分の巻いていたマフラーを巻く………するとスウェルタは照れたように頬を赤くして顔を逸らす


レギス あれ………もしかして今………


レギス「照れた?」


スウェルタ「普通………照れる」


レギスの率直な質問にスウェルタは小さい声で返答しレギスは「ふふっ」と笑う


スウェルタ「なんで笑ってるんだ」


レギス「見た目と違って可愛いなって」


スウェルタ「どんだけ見た目悪いんだよ俺………」


レギスの言葉に少し落ち込んだスウェルタ


スウェルタ「………雪?」


ふとスウェルタが空から降ってきた雪に気が付き静かにどんどん雪が降ってくる


スウェルタ「寒いのはこれのせいか………」


レギス「そうだね」


スウェルタ「後どのくらいでつく?」


レギス「後10分くらい」


レギスがそう言うとスウェルタは「了解」と答えて変わらず後ろを歩く


レギス「スウェルタ スウェルタの誕生日っていつなの?」


スウェルタ「ん?3月8日だったと思う レイは?」


レギス「10月10日」


レギス スウェルタって3月生まれなんだ………


スウェルタ「まともに祝われたのは14までだな」


レギス「そうなの?」


スウェルタ「15になった時は俺この業界にいたからな 俺の誕生日知ってんのは親友と側近の部下くらいだ」


レギス つまり14までは誕生日を祝われてたってこと………


レギス「着いた」


誕生日の話の後も色々な話をしてその間に目的地に到着した


スウェルタ「…………」


レギス「ここ 私が一番好きな場所」


レギスがスウェルタを案内したのは街外れの高台のてっぺんで、そこが「レオン」と初めて一緒に来た場所でスウェルタは目が細くなった


レギス「私若い頃に頬に傷跡のある赤ちゃんを預かって育てたことがあったの その子と初めて一緒にここに来たのを今でも覚えてる」


スウェルタ「子供だったのなら少し怖いんじゃないのか?この場所結構高いぞ」


レギス「最初は怖がってたけどすぐに慣れてはしゃいでた」


スウェルタ「どんだけ高いところ好きなんだよ」


レギス あれ………?スウェルタの目が………


レギスはスウェルタの瞳の奥にある感情を読み取った………懐かしさと寂しさを感じるその瞳の奥の炎………微かに揺れて今にも消え入りそう……


レギス「昔 ここで何かあったの?」


スウェルタ「………昔 ここで師匠と出会って……この場所で師匠を亡くした」


レギス「ごめん………」


スウェルタ「いい 気にするな」


レギス 気まずくなっちゃった………


スウェルタ「ここ桜とか咲いたらめちゃくちゃ綺麗なんじゃないか?」


レギス「紅葉(もみじ)も綺麗だよ」


スウェルタが話をそらしてくれて何とかなったがその瞳は悲しげ


レギス 綺麗なその瞳で今まで何を見てきたんだろう………




スウェルタは幼い頃から残酷な日々を見ていた…

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