本当の気持ち
スウェルタ視点
スウェルタ「…………」
レギスとの初デートの後………スウェルタはレイガとガージェスと共にアルタイル城に来たのだがそこにレギスがいて………咄嗟に隠れつつ行動を観察
フェルーガ「父さん、レイガさん(*`∀´*)」
レイガとガージェスは普通に来てもフェルーガと息子のガイアは大歓迎
レギス「私達行きますね」
フェルーガ「一応国からの保護はされてるけど危険なところもあるから気をつけてね」
と見送られレギスとミユは帰っていきスウェルタは食堂に行く
フェルーガ「あっ 御無沙汰してます」
食堂に入ると気配で気がついたのかフェルーガが笑顔でそう言う
スウェルタ「…………」
ガイア「!危ない!!」
しかしスウェルタは突然の目眩に襲われ倒れそうになりガイアがキャッチ
スウェルタ「すまん」
ガイア「大丈夫ですか?顔色があまり良くないですよ」
スウェルタ やっぱりここに来るとダメだ………体調が優れない………だが義兄さんとガージェスの精神的なケアも必要だし………
スウェルタはアルタイル城に来ると決まってあまり体調が良くない………しかしレイガとガージェスの精神面でのケアをしなければならないので耐える
スウェルタ「へーきへーき 少ししたら慣れるから」
スウェルタ とは言ったもののここ喫煙者しかいないから煙草吸いたくなるんだよなぁ………
スウェルタは実はヘビースモーカーで人前に出る時は煙草を堪えているので1人の時は吸いまくり
スウェルタ「煙草吸いてぇ………」
フェルーガ「余り身体によくありませんよ」
スウェルタ「これでも耐えてる方だ」
※ユレイトに対してのあの塩対応は煙草を吸いたいタイミングで、いつもタイミング悪くユレイトが来るから吸えないのが理由
フェルーガ「レギスに聞かれましたよ 貴方のこと」
ガイアに支えられてなんとか椅子に腰掛けることが出来たスウェルタにフェルーガが言う
スウェルタ「俺の持ってるベレッタはレギスから受け取ったものだからな 余りにも特徴が強すぎる」
スウェルタはそう言いながら脇のホルスターに入れておいたベレッタを出す………持ち手とスライドの部分にある刻印はアルタイル初代司令官が作った証拠………世界に数える程度しか出回っていない物のためにレギスも印象が強かった
???「大分………時間が経ってるんだな」
不意に聞こえたアルタイル初期メンバーからすれば反応を確実にするであろう声………その声の持ち主は………
レイガ、ガージェス「父さん………?」
初期メンバー「…2代目最高司令官 ジーファ………様?」
ずっと昏睡状態に陥っていた母側の父親 ジーファのモノで………本気の寝起きなのかその瞳は細められ鋭い
スウェルタ「やっと起きたか」
ジーファ「…………」
スウェルタの言葉にジーファは何も言わなかったが、無言で制服になってスウェルタを後ろからホールド
スウェルタ「おーい 寝るな」
ジーファ「今起きたばかりで寝るわけねぇだろ」
スウェルタ「離せ 俺はお前の父親と魂を共有してるけど全く違うぞ」
ジーファ「知ってる」
スウェルタ 見た目が多少似てる所はあるがここまでするか?普通………レイガとガージェスが「信じられん」って顔してるし………
スウェルタ「離れろ 男が男に抱きついて何が楽しいんだ」
ジーファ「釣れねぇな」
スウェルタ「俺はレギスとカルス、義兄さん、ガージェスにしかスキンシップはしねぇぞ」
ジーファ「いやカルスとレイガとガージェスは男だろ なんでスキンシップ必要なんだ(そもそもカルスってお前の側近の部下だろ)」
寝起きではあるがジーファのツッコミは面白い
スウェルタ「もう33年の付き合いなんだよ 自然とスキンシップしてるんだ」
ジーファ「お前ノーマルだよな?」
スウェルタ「いい加減にしねぇとマジでぶっ飛ばすぞ 離れろ」
段々苛々し始めたスウェルタにジーファも笑って離れる
ジーファ「でもお前には感謝してるよ お前が起こしてくれなかったら本当に起きれなかった」
スウェルタ「ここの空気を何とかしてもらいたかっただけだ 初代はいなくても2代目がいれば空気が変わる」
ジーファ「とかなんとか言ってすんげぇ優しく起こしてくれてたけどな」
スウェルタ「はー………」
スウェルタ 子供らしさ全開のジーファと話をするとすごい疲れる………必要以上にエネルギー取られている気しかしないな………
ジーファ「呆れなくても良くね?」
スウェルタ「寝起きってのもあるんだろうが子供っぽいその話し方をされると疲れる………別に嫌いって訳じゃないが必要以上にエネルギーを持っていかれてる気がするんだよ……」
ジーファ「それ親父にも言われたことあるわ」
スウェルタ なら直してくれ………本当……
最早来ただけで毒気もエネルギーを失われていくのでスウェルタは疲労が貯まる一方
ジーファ「……スウェルタ お前その病どうする気だ?」
スウェルタ「いきなり真顔で聞くな どうもこうも治りようがないから諦めてる」
突然ジーファに真顔で言われてスウェルタは頭が痛くなったのか頭を抑えながら返答
ジーファ「そのままいけば長くても10年しか持たないぞ」
スウェルタ「5年で充分だ」
スウェルタ 5年あれば俺は満足に死ねる………苦しい中で死ぬのだとしても………レギスと会えればそれでいい
ジーファ「………純粋だよな お前」
ジーファはスウェルタのレギスへの恋心を理解している………だからそう言った
スウェルタ「恩返しがしたくてこの世界に踏み入れたようなものだ ………会えただけで充分」
ジーファ「でもその先に進む気は無いんだろ?例え恋人同士になったとしても」
スウェルタ「進む気は無いよ いつ死ぬかもわからない………ましてや病に侵されて今日にも死にそうな人間だ………進んだところで何も無いし死んでしまえば終わり………そうだろ?」
スウェルタ 先に進んでも俺には何も残らないからな………残すことも出来ない………
スウェルタ「この体質はいわば呪い………俺が貰った運命だ 受け入れてる」
スウェルタは「女嫌い」と公言しているが本当はそういう訳ではなく………病持ちで女性に対して「子を授ける」ことが出来ない身体なのだ………故に今まで何人もの女性に関係を持ちかけられたが断ってきた………自虐をしている部分もあるがそれが事実である以上………スウェルタは先に進む気は無い
ジーファ「目の前に好きな相手がいるのに先に進んでも無意味ってのは辛いな」
とジーファは言いながらホットコーヒーを持ってきた………ジーファなりの優しさを感じつつコーヒーを口に含む
ジーファ「でも本音を言えばどうなんだ?」
スウェルタ「………レギスとの子供が欲しいよ けれど俺はその術が生まれつき失われている………苦しい時も助けて欲しい時もある………レギスの腕の中は心地よくて暖かい………でもそれを本当に手に入れたあと俺はすぐに死ぬだろう………そうなれば悲しむのはレギスだ………俺にとってレギスは愛するべき大切な存在………だからこそレギスには殺されたくない………その反面レギスの腕の中で事切れたい気持ちもある………矛盾と葛藤………その2つの攻め際があってこそ俺は成り立つ………随分と前から知ってたことだ………この体はもう長くは持たない………俺が死ねばレオンもガルガードも戻ってくる………同時に何かを失うこともないが俺はこの世界からいなくなって消滅する運命………背負った運命に俺は抗う気は無い」
ジーファ「…………」
ジーファはスウェルタの本音が悲痛に感じた……目の前に好きな人がいて初恋の人が手に届くところにいるのにスウェルタは手を引いている………力づくでも手に入れられるであろうやり方もせずただ相手の幸せを願う………「自分の幸せなんてどうでもいい 相手が幸せならばそれでいい」と言っているようで………「悲しい恋だな」とジーファは呟く
スウェルタ「いいんだよこれで」
スウェルタには今の状況だけで「死んでもいい」と思えるほどに満足なのだろう……自分の恋心や本音に蓋をして………本当の願いに蓋をして隠して生きていく………そうすることでスウェルタは成り立っている………
ジーファ「」
ジーファはスウェルタに聞こえない声で言い放った………
「お前は本当にそれで幸せなのか」と………
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