同業者

レギス視点


レギス「ミユ 私って次の仕事の休みいつ?」


スウェルタとの出会いのあとレギスは仕事場に戻り部下にそう聞く


ミユ「レギス様の次の休日は再来週の土日になります」


レギス「つまり今週と来週はフル?」


ミユ「になります」


レギス 疲れそうだな………


とは言っても既に決まってしまったことは変えられないので少し伸びをしてから仕事へ


〜数時間後〜


レギス「休憩〜」


部下「お疲れさまです レギス様」


数時間後 書類の仕事を終えてレギスはサインをした書類とサインをしていない書類をまとめる


レギス「サインをしたのは200 してないのが8」


部下「畏まりました」


部下に書類を渡してレギスは外の空気を吸いたくなり外へ行く……外には部下が数名外の空気を吸いに来ていた


レギス 電話してみようかな


少なくとも2時間は仕事が来ないとわかっているレギスは携帯で電話をかけてみる………すると3回目のコール音でスウェルタが出た


スウェルタ『もしもし レイ?』


レギス「ごめん仕事中?」


スウェルタ『あー………仕事ではないけどちょっとね』


電話越しから聞こえてくる音でレギスは何かをやっている最中であると理解したが、タイミングが掴められないのかスウェルタが電話を切らない


スウェルタ『左に3右に2 前方から8』


しかも指示を出しているのか声が丸聞こえ


レギス「スウェルタ 思いっきり声聞こえてるけど大丈夫なの?」


スウェルタ『大丈夫 ゲームしてるだけだから』


レギス「何のゲームしてるの?」


スウェルタ『サバイバルゲーム っと……ヒット〜ヒット通りまーす』


そして運悪く当たったのかそんな声が……


レギス「私再来週の土日休みなんだけど………」


スウェルタ『ちょうど俺も再来週日曜日に休み入ってる その時で良い?』


店で話した時と打って変わってフレンドリーなスウェルタにレギスは少し驚く


レギス「なんかすごいフレンドリーだね」


スウェルタ『あの時寝起きだったんだ 車の中で仮眠してたら買い物頼まれてさ……寝起きがいつもテンション低いから結構ギャップが強いって言われるな…………と言うか話脱線したから戻すけど再来週の日曜日に朝からで良い?昼と夜別々でお勧めの店あるんだけど』


レギス「成程寝起きだったんだね 朝からで良いよ」


スウェルタ『分かった 後でまた連絡する』


そう言ってスウェルタは通話を切りレギスはスウェルタのオススメの店が気になってしょうがない


レギス 別々でオススメのお店あるってことは結構食通なのかな?そもそも同業者ってことはお金持ってるだろうし高いかな?


レギスは生まれが貧乏だったので金銭感覚がしっかりしている


ミユ「先程の通話の方は恋仲の方ですか?」


レギス「違うよ 食事に誘われてその連絡してただけ」


ミユ「その割には顔が嬉しそうですよ レギス様」


側近であるミユはレギスの表情の変化がよく分かりレギスは顔が熱い


レギス「私結構表情わからないって言われるんだけどな………」


ミユ「私も不老不死能力者の1人ですから レギス様とはもう数十年もの付き合いですし」


そう……レギスは「不老不死能力」を持つ能力者の1人で20代の姿からずっと変わらずに生きている


レギス「付き合い長いとやっぱりわかるの?」


ミユ「ええ レギス様に長年仕えているうちに自然と」


レギス「自然とわかるようになるんだ………」


レギスとミユは確かにレギスの方が歳上だが最早親友と呼べる仲なのだ


ミユ「レギス様が嬉しそうにしているのは私は見ていてとても嬉しいです 昔は笑うこともいたしませんでしたから」


レギス「……昔は本当に辛かった………「不老不死能力者」と言うだけで迫害されて虐待を受けて……好きで持った訳でもない力のせいで苦しめられた」


レギスが生まれた当初は「不老不死能力者」は迫害を受けていて両親からも虐待を受けていた……好きで持った訳では無い力のせいで自由も得られず苦しめられるだけの人生………そんなレギスを変えたのは1人の世話をするよう押し付けられた赤ちゃんだった


レギス「あの子今何処にいるんだろう………15歳の時に出ていったっきり………会ってない」


レギスが育てた子供は15歳の時に出ていったっきり会っていない……その子は男の子で生まれつき顔に切り傷があった………「不老不死能力」とは違う「不老」の力の影響で両親を亡くした男の子……名前を「レオン」と言い………優しい性格だった


レギス もしかしたら死んでしまったのかもしれない………「不老」の力は「不老不死」とは違い老けないだけで人並みに死んでしまう………会えるのならもう1度会いたい………


ミユ「レオン君は「護りたいモノのために」と言って出ていきました………顔にある傷跡が唯一の特徴ですがもしかしたらなくなっている可能性もなくはありません」


レギス「昔に比べて医術も発達したし今ではメイクひとつで跡消せるもんね………」


レギス でも………


レギス「でも消してない気がするの あの子は優しい性格だったし隠してるだけとか」


ミユ「有り得なくはありませんね」


レギスとミユがそんな話をしている中 スウェルタと言うと………


スウェルタ「………姉さん………」


スウェルタは幼き頃に「姉」と呼んだ存在が今は間近にいるのを知り1人呟く………


???「見つけたのですか?スウェルタ様」


スウェルタ「お前は毎回気配を消して来るなカルス

見つけたも何も居場所はほとんど特定できてた 」


カルス「ですから今日店に行ったのですね?」


スウェルタ「まさか本当にいるなんて思ってなかったんだよ」


スウェルタは外にいた………強く吹いた風で首元に巻いていた布が落ち顔の傷が顕になる


スウェルタ「俺に希望と護るべき存在をくれたのは姉さんだ」


スウェルタはそう言いながら顔の傷跡に優しく触れる………かつて自分の力によって両親をなくし自分を育ててくれた姉への恩返し……それをする為に彼は姉に何も言わずに出ていった


スウェルタ「恩返しはするよ レギス………」


スウェルタの本名は「レオン」………レギスが付けてくれた己の名前………


〜レギス〜


ミユ「………1人殺られました」


ミユと軽い昔の話をした後ミユに緊急の連絡が入りその報告を受けた


レギス「死因は?」


ミユ「外部によるかすり傷が原因です 毒を塗られたナイフが当たったのかと」


レギス「大きさは?」


ミユ「小型の男性の掌に収まるサイズです……かなり高度な技術で投げられたのかと……… ナイフは後々回収したのか1本だけ死因になったナイフはありませんでした」


レギス つまり高ランク者の殺し屋が部下を殺めた証拠………掌で収まるナイフを確実にかすらせ死に追いやるなんて並大抵の技術では不可能………


しかしレギスは1人………今日出会ったスウェルタの掌を思い出す………掌にはいくつもの切り傷があった上に隠し武器でナイフを所持していた……それに先程の電話でスウェルタは「ゲームをしていた」と言っていたし………「サバイバルゲーム」とは言っていたが果たしてそれがBB弾を使うものなのか本物なのか………判断が難しい位置でスウェルタは言っているので判断が困難な上……「ヒット」と言った時も明らか雰囲気はフィールドにはいなかった………どちらかと言えば路地裏で戦っているような………そんな声の響きよう………だがもしその推測が合っているのならレギスとスウェルタは敵同士………だとしたら自分もそうだがスウェルタも非常にまずい


レギス 敵でないことを祈るしかないか………


しかし世間はそんな甘くはない


〜スウェルタ〜


カルス「先程の戦闘の最中にスウェルタ様がナイフを投げた相手………彼確か「レミーア」の構成員ではなかったですか?」


スウェルタ「ランクは中らいって感じだったけどな 高ランク者はあのタイミングで撃たない」


スウェルタは同業者のしかもレギスの敵の位置に立つ側だった


カルス「ところで腕大丈夫ですか?撃たれてましたけど」


スウェルタ「咄嗟に止血したけど治療が必要だな 再来週の日曜日には治るだろ?」


カルス「治させますよ 任せて下さい」


スウェルタ「余り力使いすぎて無理すんなよ?お前俺の側近なんだから」


敵を殺そうと殺さなかろうがスウェルタには仕事では生きるか死ぬか………どっちかしかないため生への執着心は部下に比べて薄い………しかし今はまだ死ねないと思う


レギス、スウェルタ「((同業者で敵でなければいいけど))」




そんな願いは神には届かなかった

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