みきちゃんなんて嫌いだ。
アリス
第1話
ボクはみきちゃんが嫌いだ。
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みきちゃんはね、ボクのこと、前はいっぱい、いっぱい遊んでくれた。
ご飯をたべさせてもらったんだよ?
泥団子は大好物なんだ
でも、ボクわがままだから、汚れるのは嫌い。みきちゃんは、汚れないように、そっと、食べさせてくれた優しい子。
思い出してみれば、いろんなところに連れていってもらったなあ。
動物園っていうところでは、いろんな大きい動物をみたよ。
遊園地っていうところではね、メリーゴーランドっていう、とっても面白い乗り物にのったんだ。
みきちゃんは、ボクを握りしめて、「楽しいね」って、話しかけてくれた。
一緒にベッドで寝た時もあったな。
ふっかふかのあったかいお布団の中で、気持ちよくって。
でもみきちゃんは、寝ちゃうとボクをなげとばす。
そんなところも、楽しくて、嬉しくて。
こんな毎日が、ずっとずっと続くと思ってたのにな。
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楽しい時間はすぐすぎちゃう。
みきちゃんは、大きくなって、いつしか、大人になっていた。
そして今ボクがいるのは、暗い暗い、押入れのすみ。
昔はいっぱい遊んでくれたのに、ボクのことなんてすっかり忘れて、押入れにおいやったみきちゃんなんて、
みきちゃんなんて。
本当は、今でも、大好きだ。
心のどこかで、また遊んでくれるんじゃないかって、いつか、あっ!って思い出して、抱きしめてくれるんじゃないかって、思っちゃう。
そんなこと、ないのにな。
そんなこと、ありえないのにな。
ボクはぬいぐるみなのに、。
でてくるはずのない、涙がでてきそうだ。
みきちゃんなんて嫌いだ。 アリス @maripomu
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