第8話

食事が終えた新一を見て母が話し掛ける。


「今日は一緒に領事館へ行きましょう」

「え…領事館が有るのですか?」


村だからそんな物があるとは想像して居なかった。


「一応はあるわよ、それに長期的に家に住みそうだしね、今のうちに手続きを済ませて置かないと役人さんが来た時、色々と面倒になるからね…」


そう言って母は、何やら異世界の文字が書かれた羊皮紙を持って来て、新一の名前を聞き、羊皮紙に書き込んだ。


「じゃあ…一緒に役所へ行きましょう。丁度私も領事館に出掛ける予定もあったしね」


外出しようと新一が玄関に向かうと、母に呼び止められた、彼女は新一の姿を見て、少し考え込む。


「ちょっと、その服装で出るのは、目を付けられそうね…」


そう言って母は、昔父が若い頃に着ていた衣服を持ち出して新一に、それに着替える様に言う。着替えて来た衣服は麻布生地で作られた民族衣装だった。


「うん、何か格好良くなったわね」

「そうですか…?」

「似合うわよ、フィアナが見たら飛びつくかも知れないわね」


母は笑いながら言う。


「じゃあ…出掛けましょうか」


新一はフィアナの母に連れらて役所へと出掛ける事になった。


その日…フィアナは村の学舎に勉学を学びに行った。村では学舎は義務制では無いので、参加したい人は参加して良い…と言う決まりだった。

フィアナが学舎に行く、その日は少数の子供が来ていた。自分の馴染みの子も居た。

そんな傍ら…フィアナは不機嫌そうな表情で学舎に来ていた。

彼女の馴染みの子達は、少し離れた位置でフィアナを見ていた。


「あの子の…あの表情は、昨日は上手く行かなかった様子ね…」

「温泉に来た時と、表情が違い過ぎるわね…」


友達は、囁きながら話し合う。

そんな中…ルミランがフィアナの側へと来た。


「アイツ…フィアナをからかいに行ったわよ」

見ていた友達が、呆れた声で話す。


「よお…フィアナ、随分とご機嫌斜めだな…まあ所詮、異国の人間に我等一族の気持ちなんか理解して貰おうと考えるのが無理なんだ、さっさと諦めてオレとの関係を築こうじゃないか?」

「煩いわね、それ以上無駄口叩くと、本気で貴方をブッ飛ばすわよ…」


フィアナは、イラつきながらルミランを見て言う。


「おお…怖ッ」


そう言ってルミランは、その場を去って行く。

傍らで見ていた友達は「ハア…」と、溜息を吐いた。


「よく…フィアナ我慢したわね。アタシだったら一撃でアイツをブッ飛ばしたのに…」



その日の正午、フィアナは友達と一緒に食事をしていた。友達を前にフィアナは、ずっと考えていた事を口にした。


「ねえ…男性のシッポって普段は短いの?」

「え…?」


何気ない発言に2人の友達は、フィアナを見る。


「シッポの長さは皆同じでしょう?」


セティリアと言う少女が言うと…隣に居たレイシルと言う少女が、彼女の肩を叩きながら首を横に降る。


「セティリア…フィアナが言うのは、後ろの方で無くて…男性の前に付いている方よ」


それを知ったセティリアは、顔を紅くしながらフィアナに「ゴメン…」と、謝る。


「まあ…男性が興奮すれば、伸びて硬くなるわよ」

「フィアナは、彼とは済ませていなかったのね…」

「アイツ…昨日父に酒を飲まされて、先に寝ちゃったのよ…」

「まあ…これから嫌でもする日は来るから、気長に待ちましょう」

「そうね…」

「ちなみに男性は、気持ち良くなると、前のシッポから白い汁を出すのよ」

「え…本当?」


フィアナは目を丸くして言う。


「それって、どんな感じなの?」


フィアナは、興奮しながら聞いて来た。


「ん…ネバネバした感じなのよね」

「異国の男でも同じかな?」

「見た目が同じ男性なら一緒でしょうね…」

「ちなみに男性を気持ち良くさせるにはね、こうするのよ」


レイシルが、食事で残った棒状の果物を使って、上下に擦る仕草を見せる。


「あとね、女性が口の中に入れて舐めてやるのも、男性は結構喜ぶよ」

「そうなの…」


フィアナは、新一の姿を想い浮かべていると、自然と顔が紅潮して来た。


「ちょっと、フィアナ…アナタ興奮しすぎよ」


そう言われたフィアナは、慌てて現実世界に戻り


「べ…別に、へ…変な妄想してないわよ!」


と、慌てて答えるが…2人には苦しい良いわけにしか聞こえなかった。

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