第2話


少女(?)を連れて竜神は安全な場所まで行く。再び変な生き物に襲われ無い様に少女(?)を抱きながら木の下で休んでいた。

竜神がしばらくウトウト…としながら少し眠ってしまった。

ふと…気付くと、目の前に大きな瞳をした少女が、自分を見つめている事に気付き思わず後退りした。

良く見たらさっきの少女(?)だった、間近で見た彼女はエメラルドグリーンの様な瞳をしていて、あどけない顔立ちをしていた。


「∃∠⊥⌒∂∇≡∨≪†‡!」


相変わらず何を言っているのか全く理解出来なかった。ただ…何やら怒っている様に思えた。

竜神は、手で相手に言葉が通じない…と、仕草をする。

それを知った彼女は、竜神の手を引っ張って、森の中へと入って行く。しばらく進むと、大きな樹が見えて来た。彼女は大きな樹に上って行く。その仕草は、まさに猫そのものだが…猿見たいと言っても過言では無かった。

彼女は、樹に生えている木の実を見つけると、竜神に目掛けて木の実を投げ付ける。

2〜3個ほど彼女は木の実を投げ落とした。


彼女が取った木の実は銀色の実だった、ちょうど竜神も腹が減っていたので彼は木の実を1つ食べる、変わった食感のする果実だった。甘酸っぱさがあり…果肉が良く歯応えの良い食べ物だった。木の実の皮が銀色でツヤがある為、皮を噛む時にカリッと音を立てる感覚が食欲をそそる。

彼は少女(?)が樹から降りて来るのを見て彼女に1つ渡す。


「君も食べなよ」

「ウチは要らない」


竜神は驚いた、相手に言葉が通じている。


「あれ…何で、会話が出来ているの?」

「あらゆる言語を翻訳する木の実よ…今貴方は、私の言葉を自国の言葉の様に理解出来る様になったわ、1つ食すれば…しばらくの間は、私達と意識の疎通が可能よ」

「そうなんだ、凄いね…」


竜神は感心した。


「さてと…」


少女(?)は、真剣な眼差しで竜神を見た。


「貴方…ウチが困っているのを見て、何故直ぐに助けてくれなかったの?」

「あ…イヤ、何が起きているのか、全く理解出来なくて…」

「そう…乙女の恥じらいを見て楽しんでいた…訳では無かったのね?」


少女(?)は、疑った眼差しで竜神を見る。


「そ…それは誤解だよ」


しばらく少女(?)は、竜神を見ていたが…


次の瞬間…

パシン!


少女(?)の平手打ちが炸裂する。


「イテェ、何するのだよ」

「貴方…今、変な事考えていたでしょう?」

「なんで、そう思うの?」

「顔がニヤついていたわよ」

「それで、人の顔を叩くわけ?」

「そうよ…残念だけど、ウチとは…もう二度と関わらないでね」

「ええー!」

「助けてくれた事には感謝しているわ、でも…貴方と言う人物をウチの村に招く事は出来無いから…」

「どうして?」

「貴方は、心が不純過ぎるから」


まあ…怒られるのも納得だと感じた。


「分かった…ただ、自分の世界に戻りたいのだけど…どうやって戻るか、知らないかな…君達とは異なる別世界なんだけど…」

「知らないわよ、別世界から来た人って聞いた事無いわよ」

「え…そうなの?」

「少なくともウチが村に居る間は、そんな話を聞いた事無いわ…まあ、とにかく頑張って帰る事ね…じゃあね、さよなら」


そう言って少女(?)は手を振って立ち去る。


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