第13話

情報屋から連絡が入る。どうやら『ブルーバイブル』について何か分かったらし、早速、情報屋へ向かう。

「爺さん何か分かったのか?」

「ああ、あるソロプレイやからの情報だが『古代城』の最深部に行ったところイベントが発生してヒントが得られたらしい」

「陣か?」

「そうだ、あいつの条件はもちろん決闘」

「勝ったら情報をくれるのか」

「あぁ、その為にかなり苦労して情報を得たらしい。で、どうするのだい?」

「奴も本気かやるしかないか」

「爺さん、陣に連絡してくれ『決闘を受ける』と」

「分かった、この『レオナルド』のPKシステムは確かにお遊びだが何かを賭けるのが暗黙のルール、お前さんは何を賭ける?」

「この『英雄の剣』を……」

「このゲーム初期のレア武器か―――強くはないが今ではかなりの価値があるね」

「それだけじゃ無い、これは思いでの……たぶん負ければ引退だね」

「アズラエル―――本当にその剣をかけて良いのかい?」

「あぁ、必ず勝つ」


『ベネチアノ』にあるPKフィールド、陣が待っていた。

「よう、遅かったな、逃げたかと思ったぜ」

「あいにくお前との決着の準備があってね」

「相変わらず、小細工が好きだな。ま、レベルで勝る俺に挑むのだから当然か」

とは言ったものの実際に小細工が効く相手でないのは分かっている。

せめてもの小細工は巌流島の決闘と同じく相手を待たせ、精神的に有利にするしかない、

「さぁ、始めようか」

戦略は一つ、スキル『龍倒斬』クリティカルヒット率アップを連打。

速度で負けているのでこちらのHPがもたなければ終わり、結局博打の戦術しかないか。

そして決闘開始

「やはり『龍倒斬』できたかでもクリティカルヒットが出るまで持つかな?」

「俺も楽しみにしているぜ、クリティカルヒットで倒せる事を」

ぐんぐん減っていくHP、やはり負けか……。

すると、クリティカルヒットが出る。

「ふ、勝利の女神はお前に向いたか『あるダンジョンを一人で最深部まで来た者に祭壇に置いた、私の秘密を伝えよう』これが俺の得た情報だ」

「少し聞きたい、何故、リアルは少女などと嘘を言った?」

「本当よ、私は中学生の少女―――少し、嫌な男を演じていただけ……何時もリアルは一人だから演じた、嫌な男を演じることで何かが変わればと願っただけ、ごめんなさい」

そして陣はログアウトした。

陣の作戦か???違うやはりリアルは少女か―――少し後味が悪かったこれもネットゲームの定めしかたがないか。

  

***


それから

「最深部に祭壇のあるダンジョンなんて」

「『闇の迷宮』だ」

藤野がつぶやく

「『闇の迷宮』の最深部までソロで行くのはかなりの困難、それに最深部にはボス『

冥界使い』が居るだけで祭壇など無いず」

「祭壇なら有るかもよ」

マミが入って来て言う。

「もともと、『闇の迷宮』はあるダンジョンへ行く為に作られた、でも企画段階で無くなったはず。でも密かに進めていた者が居たとしたら」

「マミか『マナ』とは一体なになのだ?」

「『マナ』の事までしているとは、もう、後戻りできないね。『マナ』とはこの『レオナルド』の人工知能型統治システムのことクエストの全管理をしているわ」

「何故、黙っていた?」

「わしたちは基本『デスゲーム』を追っているがどうやら『運命の選択』と本格的に関係があることをつかんだのよ」

「どうやら、『闇の迷宮』をソロで最深部まで行く必要が有りそうだな」

すると、マミからレイピアを渡される。

「これは、あなたたちを使うようで悪いけどGMの私が行っても無意味。せめてもの報酬よ。このレイピアはゲーム上最強の武器」

「ありがと、喜んで使わせてもらう」

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