バカな男
「へぇ~とりあえず良かったじゃん。けど、あっちまで車で通うの大変じゃない?」
『大変だけど、交通費も全額負担してくれるらしいし』
パートが決まって、真っ先に実家に報告に行くとお母さんも少し安心しているようだった。
「雪が降ったら通うの大変だよ?」
『大丈夫でしょ?っかそんなこと言ってたら仕事見つからないし』
お母さんは少し過保護な所があって、昔から私が選んで決めたことに対して一つや二つ必ず反論をしてくる。
「そう。まぁアンタに何言っても仕方ないだろうけど」
『そうだね』
どうやら昔よりは、過保護さも抜けきれたようで良かったよ。
…~♪~…
あっ、LINEだ。
スマホの画面を見るとキャバ時代のお客様からだった。
<ヒカルちゃん、お店辞めたら全然連絡くれなくなったね。
すごく寂しいです。信じていたのに…>
またか。このお客様の名前はヒロ君、メンヘラ気質の39歳だ。
メンヘラは何をするのか分からないと言う意味を込めて、お店を辞めてからもちょいちょいは連絡は返していたが…
K町に帰ってきた今。返す意味もないし無視していた。
これでもお店を辞めてからお客様は太客や細客共に50人近くはブロック削除したんだけど…あと何人居るの?
この際スマホを変えてしまおうかな。
スマホを操作する私を見ている母親は質問を投げてきた
「一樹君から?」
『お客さん』
「まだ連絡来るの?」
『シツコイ人はね』
「アンタ、まさかストーカーとかされてない?」
『それはないっしょ?こんな所まで追いかけてくるなんてよっぽどだよ』
昔は家までストーカーされたこともあったし、そのお客様は、借金してまでお店に通いつめて最終的に自己破産したんだ。
“お店に来ない客なんて不必要”そう思って削除した途端にストーカーになってしまって、それで警察沙汰になったこともあったっけな。
あれもこれもお金のせいなのかもしれない。
私はお金に貪欲な人間だから、男に媚を売って大金を手にしていた。
そんな色恋を間に受けたバカな男共が悪いんだよ。
今日は3月31日、思えばRussoを辞めてからもう二ヶ月経ったんだね。
もう十分ニート期間は満喫した。一樹と旅行やスノボにも行ったし、友達と遊んだりもしたし。次に繋げる為の充電は満タンだ。
不安なことは一つだけ…昼夜逆転の生活を直せるかどうか。
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