水商売とバンドは似てる!?
徐々に迫り来る引越しの日。
片付けも少しずつは進んできたところだ。
次に住む契約したアパートで使う家具家電は、前もって送った。あとはお客様からもらったいらないブランド品の処理。
先日、昼職の現実を聞かされたことで無駄にお金を遣うことはやめた。
ひたすらに家でスマホをイジッて夜に外食するくらいで…あとは家に引きこもったまま。
そんな最中、昼寝から目覚めて何の気なしにtwitterを開いてTLを見ていると…
【カメレオからの大切なお知らせ】と言う文章が目に入った。
※バンドに興味ない方は理解が難しいと思うので、バンド以外に例えて読んでもらえたらと思います。
私は、10代からずっとバンギャでV系バンドの追っかけもしていたほどだ。
今じゃ散財することは無くなったが…
“カメレオ”と言うバンドはここ数年ずっと気に入って、私が住むM市から都内に出るのは時間もお金も掛かるが…それでもライブやイベントに行くほど好きなバンド。
今の私がここまでこうして元気を保てるのは、恐らくカメレオのお陰だと言っても過言ではない。
嫌な予感を抱えながら、そのページをタップすると…
“この度カメレオは2017年6月を持ちまして解散することになりました”
ガーン…これまぢ?嘘だよね?誰か、嘘って言ってくれ!!
そんな儚い願いも虚しいものだった。
こんなことになるなら…キャバ辞めなきゃ良かったよ。少しでも多く稼げる水商売をしながら、発表されたライブも出来るだけ行くことだって出来たはずなんだよ。
けど、もう戻ることは出来ない。お客様を切ってしまった今…私には、何もない。
何よりFCの選考でチケットを確保してるのは今のところ仙台だけしかないし…。
その瞬間水商売とバンドは何処か似てると、つい錯覚した。
キャバクラはお客様に気に入られ応援されて色恋で引っ張って、お客様にお金を遣わせる。
お客様は、お目当ての女の子が他の指名と被って、その人が延長すると自分も延長しなきゃと延長し…独占欲の果てにシャンパンを頼むんだ。
そして最終的にお客様が費やした時間やお金や気持ちを全部裏切るかの如く、キャストはお店を辞める。
バンドだってしかりでしょ?
バンギャに貢がせ貢がせ、CDやグッズを買わせて、それを買わなきゃ他のファンよりも劣ってるように感じさせ…一枚のチェキを撮るのだってお金をとるんだもの。
そしてある日、急に解散する。
ホストなんて、恐らくもっとでしょ?
批判するつもりは特にないし、むしろそう言うバンドないしホストでも何でも、結局は自分にとって心に栄養が補給される部分だって大いにあるわけだしね。
…~♪~…
途端にスマホが鳴ったもので、着信画面を見ると聡美からだった。
聡美もカメレオのファンで一緒にライブとやらも行っていたから、この電話の内容は出る前から見当できた。
『はいはい』
「みーちゃん!Twitter見た!?」
…案の定だ。
『カメレオ、解散するんだね』
「ホント、ショック…どう立ち上がったら良いのかわかんない」
『同じく…突然すぎだよね』
「うん…こんなの有り?」
声に力を感じず、悲しみに打ちひしがれてるのは伝わってきた。
たかがバンドの解散ごときと思う人も居るだろうけど、私と聡美にとって…
いえいえファンにとっては、それだけの衝撃だった。
けど…そうか。解散するんだね。
グッズ買わなきゃ!CD買わなきゃ!会いにいかなきゃ!
…と、必然的に急に生きることに気力が湧く瞬間だった。
【貯金だけじゃ不安だ。出費が大きすぎる…
お金が必要だ。私は、どうしたら良いの?】
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