Episode2:異能者への覚醒

ユウマの周りを謎の光が照らす。ユウマを守るように体の周りを回る。そしてその光はユウマの体の中へ吸い込まれるように消えていく。


ユウマ「なんだ...体が急に...」


今までに不良から受けた暴行の痛みが消えていく。キズ自体は癒えていないようだがさっきまでとは違い、体が驚くように軽い。


いける...今なら...こいつらを倒せそうな気がする...。


俺は立ち上がり軽くズボンについた土を払う。さっきの光は何だったのかなんて今はどうでもいい。とにかく今は...あの子を助ける!


不良1「な...なんだこいつ!?今、体の周りが光って...」


不良2「ンなことはどうでもいい!サッサとこいつリンチにするぞ!」


不良共が俺に殴りかかってくる。でも今の俺は前の俺とは何かが違う。何が違うのかははっきりとしていないがそれでも分かる。




――今の俺は、間違いなく強い――




ユウマ「おらぁぁぁぁあ!!!」


不良1「なんだ!?くっ、ウワァァ」ドゴォン!!!


ユウマ「......え?」


俺が殴ろうと拳を振りかざそうとした時、何故か振りかざす前に不良が奥の壁まで吹き飛んだ。...どうなってんだ?


不良2「て、てめぇ今何しやがった!」


ユウマ「い、いや俺にもわからん...。」


不良2「とぼけてんじゃねぇ!っ!!グハッ...」ドゴォ...バタッ


ユウマ「...どうなってんだ、これ?」


どうなっている。俺に殴りかかってきたはずの不良が何故吹き飛ばされているんだ。もちろん俺は何もしていない、ただ殴られると思いガードの体制に入っていただけだ。


...これはさっきの光が関係しているのか?確かにそう考えれば納得がいく。突然現れた謎の光が俺の体に入ってからこの謎の現象が起こった。この光の正体は一体...。


俺は考えることを一旦やめ、さっきまで泣いていた中学生くらいの男の子に声をかける。


ユウマ「大丈夫?怪我してない?」


男の子「はい...ありがとうございます。あの...怪我は大丈夫ですか?それとあの力は一体...」


ユウマ「ああ、怪我は大丈夫...」フラッ


怪我は大丈夫だから心配しないで。そう言おうとした時、目の前の視界が揺れる。やべぇ...傷は治ってないんだった...。


男の子「あわわ...大丈夫ですか!?えーと...こういう時は救急車を...」


視界が薄れていく...。俺は地面に倒れ込んだまま意識を失った...。


――――――――――――――――――――



ユウマ「ん...ここは?」


目を覚ますと見知らぬ天井があった。しかも俺は今ベットに寝かされている...。たしか俺は不良との喧嘩で意識を失って...。


医者「目が覚めたかね」ポンッ


ユウマ「うわっ!?って痛っつ...」


自分の記憶を遡っていると突然肩を叩かれた。ビックリした...てか驚いて飛び跳ねたから傷が痛てぇ...。


医者「あはは!そこまでびっくりするかね!」


服装から見て医者らしき人物は俺のリアクションを見て大きく笑う。おい何がおかしい、脅かされてビビるのは当たり前だろ。


ユウマ「脅かされるのは苦手なんすよ...それと、ここは一体?」


医者「ここは病院だよ。中学生の男の子から連絡があってここに搬送されたんだ。君も不良の人達もすごい怪我をしていてねぇ...。」


ユウマ「そうですか...治療していただきありがとうございます。」


医者「僕達は医者なんだから怪我治すのが仕事。お礼なんていらないよ。」ニコッ


医者の人は笑顔でそう言った。後で男の子にもお礼を言わないとな...。そういえばあの謎の光はなんだったのだろうか。あの光が体の中に入って行ったことで何か体に影響はあるのだろうか?疑問に思った俺は医者に聞いてみる。


ユウマ「あの...すいません、一つお聞きしたいことがあるのですが」


医者「ん?どうしたんだい?」


俺は不良共に殴られてからの事をこと細かく説明をした。謎の光のこと、何もしていないのに不良が吹き飛んだこと。すると医者は驚いた様な顔をしていた。


医者「あんた...もしかして「非能力者」の人間かい?」


ユウマ「ええ、両親も「非能力者」なので」


それを聞いた医者はさらに驚いた顔をして座っている椅子から転げ落ちてしまった。一体どうしたんだ?そんなに俺が非能力者なのが驚きなの?


医者は慌てて立ち上がり一度咳をしてから俺に話しかける。


医者「君の怪我の治療が終わった時、一度君が非能力者なのか能力者なのかを確かめるために血液検査をしたんだ。その時の結果がどうなったかわかるかい?」


ユウマ「え、もちろん非能力ですよね?両親も非能力者ですし。」


いやさっきも非能力者だって言ってるだろ。俺もあんまり自分が非能力者って言いたくないんだよ。言ってて悲しくなるし昔から能力者には憧れてたしな。


医者「ところがどっこい。なんと君には能力者の陽性反応が出たんだ。しかも普通の能力者の倍以上の力のね。」


俺はその言葉を聞いて唖然としてしまった。俺が...能力者...?で、でも俺の両親は非能力者だ。俺が能力者になれる確率なんてあの例外の...


俺はここであることに思い出す。そう、両親が非能力者でも能力を持った子供が希に生まれる事があり、しかもその子供は普通の能力者より優れた力をもっている...という噂を聞いたこと。もしや俺は...。


医者「君も何となく察しがついたみたいだね...。君はごく稀に生まれるケースの能力者。しかも高校になって覚醒する遅咲きのね。驚いたよ、私も噂では聞いていたが本当に存在するとは...。」


医者が少し苦笑いで俺の方を見てくる。俺が能力者?しかも希に生まれるケースの?しかも遅咲き?


ユウマ「俺が...能力者...」


うまく現実を飲み込めない。自分が能力者だったことが未だに信じられない。少し疑ってしまっているまである。これは夢なのか?


医者「あ、そうそう!君が能力者に覚醒したってことは君も退院してからは異能学園に転校しないといけないよ?流石に能力者を普通の学校には置けないよ。」ケラケラ


ユウマ「...え?」


そうだった。能力者は異能学園以外の学校には通っちゃダメだった...。てことは俺の今の高校からの転校?嘘だろ...頑張って結構いいところの高校選んだ意味は何だったんだよ...。


しかもまだ能力者に覚醒したばかり、自分の能力すらもわかってないのに、こんなんでやっていけるのか?俺の頭の中では不安が渦巻いていた...。


――――――――――――――――――――あとがき


少し長くなってすみません!しかも終わり方も中途半端...。次からはしっかりと書くので今回は見逃してくださーい(笑)



















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