第13話 1年D組 4/11

「おはよう」

ガタガタガタ。教室の中にいた奴らが一気に部屋の反対側に行った。

まあ昨日の今日では仕方ないか。

「刻〜〜〜」

後から入ってきた誰かが背中に飛びかかってきた。

あたしは反射神経で前のめりにながら体をひねって蹴りを入れそうになり…

右脚のかかとが光希のこめかみから1センチの所でやっと止まった。

「みっ光希ごめん。つい条件反射で…」  「ううん。いいよ」

光希は笑いながら言った。本当にごめん。

「元気そうで結構結構」  「あはは」

「刻ならドッジボール大会で勝てそうだね」



ウチの学校では全体行事の中で一番最初にあるのは、運動系の部活が一番多いことからか5月28日にある1年から3年によるドッジボール大会だ。伝統なんだそうで

その日は一日中ドッジボールをする。

1学年には1クラス40人の教室が4つあってそのクラスごとに15人のチームを作る。

学年で試合をして、一番になったクラスは2年と3年の1番と試合ができる。

去年も一昨年も雷のクラスが優勝した。

もちろん彼はMVP賞を獲得している。選手は最初の体育の授業で決まる。


「おーし。最初は100m走だ。奇数は右、偶数は左に出席番号順に並べ」

みんな不満を垂れ流しながら、素直に並んだ。

50mはともかく100mって…この学校完っ全に殺しにきているね。

「100mも走れないよ〜」  「お互い頑張ろ」

あ。グラウンドの反対側で炎樹のクラスが授業をやっていた。

エンジュの体育着姿 (・┏・)ハァハァ

炎樹がこっち見て、手を振ってきた。手を振り返すと嬉しそうに顔を赤らめた。

可愛い。 (・┏・)ハァハァ

光希がニヤニヤ笑っていた。 「仲良いね」 「うっうるさい」

いつの間にかうちらの番になっていた。 はああ〜やだな〜。


「よ〜い   どん!!」

クラウチングスタートの姿勢から一気に駆け出した。

無事に走り終わった。光希はどこだろうと後ろを向いたら、まだ半分のところだった。変だな。特に能力は使ってないんだけど。あっ普通に速かったっけあたし。

「すげーな大賀。6.5秒だ」  「狼とおんなじっすか」  「そうなるな」

「そう…か」

視界がぐらりと傾いた。

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