第6話 入学式 4/5・4/9

「いっぱい買えたな」「クレープうめー」「確かに。あっ」

アクセサリーショップの前を通りかかりそうになった所で炎樹が立ち止まった。

「そうだちょっとここで待ってろ」

?アクセサリーショップに何の用だろ。


「ほれ。ヘッドホンの御礼。」  「ありがとう」

炎樹が首に手を回してネックレスを着けてくれた。可愛い。ハート型だ。炎樹が首に掛けた十字架のネックレスに重ねたらピッタリはまった。幸せだなー。


「おっ。炎樹じゃねーか」  「げっ」

男子が3人歩いて来た。誰だ。

「へーこいつがお前の言っていた彼女ちゃん?」

「可愛いじゃん。ねえこいつやめて俺にしねえ」  「おい」

「俺の相手もしてくんねぇ」   「おい」

「いいじゃねえか少しだけ」   「…」


突然ヘッドホンを頭に乗せられて、そのまま相手の顔が見えないように目を手で覆われた。ヘッドホンからいきなりテイラースウィフトの曲が流れて来た。


暫し松。


目から手を退けられて、ヘッドホンを外されたときには男子3人はどこにも居なかった。

「なあ、あいつら誰?」  「ドーキューセーです」  「炎樹も大変だな」

「でしょ」  「帰ろ」  「おう」


チュンチュンチュン入学式の日。


「……在校生による言葉。利安炎樹」   「はい」

ひ〜〜〜〜〜〜ま〜〜〜〜〜〜だ〜〜〜〜〜〜〜な〜〜〜〜〜〜。

さっきから必死でポーカーフェイスをキープしようとして居るんだけど暇すぎて緩みそう。

「……新入生による言葉。タイガトキ」   はっ?

シンニュウセイニヨルコトバなんてまかされていないんだけど。  「はい」  はっ?

後ろから声が上がった。後ろを振り返ると男の子が立ち上がった。

はぁ〜〜〜〜〜〜!!!!!なんであいつが居るの?!

立ち上がった子は交差点で助けた子だった。

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