第4話 交差点の出来事
「ほら走れ走れ。置いてくぞ」
これから近くのデパートで文房具とノートと財布を買いに行く。
「へああれんじと足の速さは認めるよ。でもなんで逃げなかったの?」
炎樹がキョトンとした。
「いつの事だ。」
嫌なことがあるとすぐに忘れようとする。
「今日。食堂」 まだ考えてる。まじかよ。
「虐め」
「…ああ。あそこで逃げたら刻が食べられないような気がした。それと男としてのプライドが逃げるなと言った」
「…そう」
「お前、今こいつ馬鹿だと思ったろ」
「ばれたか」 「このやろ」
じゃれ合いながら歩くと交差点に差し掛かった。信号を待つ間に蓮島学院についての情報を炎樹から聞いてたらあちこちで炎樹とあたしを見つめるハート型の目見つめるとんがった目があることに気づいた。
「炎樹。」 「ん?どした」 「いつもありがとー(*´▽`*)ゝ¨・;*」
暫くポカンとして突然炎樹の顔が赤くなった。
「っ。だからその顔やめろって」 「?なんで?」 変な顔してたか?
「可愛すぎて俺以外の男全員死んでるから」
その通り。周りにいた男どもが鼻血を出して倒れていたり、頭を壁に打ち付けてたりしている。ザマーミロ。気持ち悪りぃ目で見た罰だ。
信号が変わった。みんなそれぞれの行きたい場所に向かって足を運ぶ。
渡っている時、9人組とすれ違った。そのうち半分は外国人っぽい。どっかの言葉で喋ってるみたいでも意味がわかる。
「見つかんないね」
「あの子がここに居る事は間違いない」
「”火車”と”座敷童子”が居なくなって10年か」
”火車”と”座敷童子”
何か思い出せそうで思い出せない。一番最後を歩いて居た男の子とすれ違った。
突然振り返るとあっちも振り返っていた。何か大切なもの…のような気がする。
「…危ない!!」
あたしから見て右から男の子に向かってでっかいトラックが走って来た。思わず走る。
また周りの動きが遅くなった。トラックと男の子の間にもう30センチしかない。男の子の脇を抱えて走った。10センチ 5センチ 間に合わない 頭を前に倒す トラックの前から出ると突然元に戻った。
『うわ!』
前のめりになっていたから。転んでしばらく滑った。
なんとか助かったみたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます