白銀の毛を持つ獣人

第9話 格闘家vsテクニック

 今は社会の授業を受けている。


 「おい!魔王!今日こそ討伐してくれる!」

 「僕たちは、もう、お酒になんて騙されない!」

 「ガル。」

 

 妄想が3人になったとなげくべきなんだろうけど。


 ぼそっ。

 「チェリーの後ろにいる猫耳は?」

 「この子も私のサポートよ!」

 「雪豹獣人ホワイトパンサーのリンド。柔剛一体の柔獣術じゅうじゅうじゅつ使いガル。」


 チェリーより頭一つ背の高いリンドは、白い毛並みがとても綺麗で格闘家ならではの均整のとれた体をしている。


 ぼそっ。

 「そうにゃんか。」なでなで

 「気安くなでるなガル。」


 そういいながら、長いしっぽをくねらせて、嬉しそうだ。うちはペット禁止だから、俺のペットに対する憧れは半端ない思わず猫語になってしまうほどだ。妄想これなら飼っても何も言われないので大歓迎だ!


 「魔王!リンドから離れろ!」

 「リンドをたぶらかすな!」


 邪魔なのが2人いるので、むんずとつかんでカバンに押し込み、ジジジっとジッパーを閉めて隔離する。


 「ガル?!」


 ぼそっ。

 「心配しないで大丈夫にゃん。ちょっとカバンで休んでもらってるだけにゃんよ~。」こりこり


 リンドの顎や耳の後ろをこりこりとなでてやると、不安そうにしていたリンドも段々とおっとりとしてくる。


 魔王…出せ…

 ≪ライト≫


 カバンから少し、声や明かりが漏れているが気にしない。


 「ガルはこのくらいで…屈服するほど軽い雌豹じゃないガル!」


 ぼそっ。

 「そうにゃんね。リンドは立派な雌豹にゃんね~。」


 口では立派なことを言っているが、すでに仰向けでなでて♪なでて♪状態だ。胸をもみたいところだが、嫌われたくないので腹で我慢する。


 腹をなでなで

 「ふん…ガル♪」


 足の肉球をもみもみ

 「…ガル♪」


 しっぽをもみもみ

 「ガルガル♪」


 ふっ。落ちたな。


 「熊本。」

 ふっ。俺がいつもいつも、授業を聞いてないと思うなよ!質問は「1560年に織田信長が今川義元を討ちとった戦は?」答えは!


 「桶狭間の戦。」


 副題:社会の授業でにゃん発言

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