第3話 女戦士vs宝箱を開ける

 俺は高校1年の熊本白くまもと・しろ。今は社会の授業を受けている。

 ご先祖様は違う苗字だったらしいんだけど、熊本藩に蓮根レンコンを販売していたら、熊本を名乗ることが許されたそうだ。みんなが食べている、からし蓮根レンコンの一部はうちの畑で取れたものだ。


 「魔王!今日は、お前のダンジョンからお宝を奪ってやる!」

 ダンジョン?ってか、うばうのかよ!どこぞの勇者じゃねーか!


 そう言うと、にダンジョンが現れる。

 「うぉおお?!」


 ざわざわ

 「熊本くん?どうしました?授業中ですよ?」

 「いえ。すみません。」

 「静かにしててくださいね。」


 くすくす

 また、居眠りしてたんじゃね?

 くすくす


 女戦士は消えていない。現実でビックリすると目が覚めるが、夢でビックリしても目が覚めない。そんな感じだ。


 カメラごしに見ているような感じでダンジョンが映し出される。女戦士はダンジョンの階段を降りていく。階段の下には部屋があり、中に宝箱がある。


 女戦士は慎重に宝箱を開ける。中には薬草が入っている。しょぼいな…俺のダンジョン。まだ、低層だからだよな?


 更に奥の部屋に進んでいくと、部屋の天井に緑色の物体が…。女戦士は気づいていない。女戦士が緑色の物体の真下にくると!緑色の物体が女戦士に落下して覆いかぶさる!


 「きゃぁ!スライム!」

 女戦士が悶えるが、スライムがぐにょぐにょと絡みついていく。


 「ぁぁ。スライムの粘液どくで体が痺れてきて…引きはがせない…。」

 ぐにょぐにょと鎧の隙間に入ろうと服を溶かしていく。


 「ぁぁ…」

 男としては、このまま顛末を見ていたいが、服だけじゃなく体まで溶かすようなことになったらトラウマものなので、スライムをつまんで引っぺがす。


 「ど、どういうつもり?!…か、感謝なんてしないんだからね!」

 スライムを洞窟に戻してやる。


 ぼそっ。

 「スライムにやられるなんて、お前、レベルいくつだよ?」

 「ふん!聞いて驚きなさい。5よ!」

 「ゴミじゃねーか!別の意味で驚いたは!」


 レベルのサイズ感が分らないが、とか言って人に、よく突っかかってこれたもんだ。


 もぐもぐ


 薬草を食ったら、ダンジョンの成果0じゃねーか。いや、服を溶かされてるからマイナスだぞ。


 副題:社会の授業でゴミ問題

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