第20話

その部屋には、少し大きめの宇宙服があった。

そして額縁に納められた東京の夜景の絵があった。

また奥の部屋に割れた円の鏡があった。

兵士達が銃を構えて鋭敏な動きをして警戒して入って来た。


みんなが前を向いて、一人だけ後ろに銃を構えた兵士が一番始めに狙われた。

奥の部屋の割れたガラスが真っ黒く成り、スルスルーと天井に移動、そしてドリルのようにクルクルスーと回転して降りて来て、異色悪魔!?に変身し、右手で口をふさぎ、左手で横から心臓をひと刺しして一瞬にして人間の視界から消えたのだった。

無音でスークルクルと回転して天井に戻っていく。


「オイッ、オ一イッ、どこに行ったんだ!?」

全員が後ろに気を取られた時に先頭の兵士も黒く割れた円に飲まれたのだった。

辺りを見渡す、ズボッズボッ、ダダダダッ、外側に居た兵士が背中から、また後ろの兵士は、右腕と左足の膝をワイヤーロープが貫通され、T字に変換され、ロックされたのだった。

回りから、四方八方から、兵士に重症を与え、うつ伏せに倒し暗闇!?に四次元の空間!?にスーと引っ張られて消えて行く。


額に入った《 東京の夜景 》内のビルの部屋明かりから、白のワイヤーロープがいくつも出て来て兵士を突き刺し、先をT字に変換して兵士を引っ張って《 絵 》内に引きずり入れたのを撃って弾が無くなった兵士が無抵抗で何も言えなく見ていた。

(・・・闘う気の無い奴は、滅びゆけ・・・) 分からない所で呪文をかけられた物は、苦しみながら、崩壊していき、灰化して地に帰って行った。

物体も脳も精神も飲み込まれ続けて行く。

あとに残った物は、叫び声と部屋の怖さだけだった。

宇宙服と廃墟のアンバランスな空間・・・・・・

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