第18話

掌を上にして両手を軽く開くと石畳は、ピザを作るように真っ赤に成っていき、ロックを奏でているイコライザーみたいに広がり、リズムを取り始め、兵士達を混乱させて考える余裕も与えず、散らさせて逃げさせたのだった。


床には、アートらしきものが描かれていた。

右側に線の書かれた絵、左側には、四角い絵、周りには、天使!?やら、悪魔!?やらが手を差し伸ばせてある物だった。

パラシュート部隊の隊員が一人、ゆっくりと歩き始めた。

線と四角の間に行った時に突然 激しく吹き掛かる雨が隊員を襲った。

反射的に肘や手で顔をかばう。

すると右側の線が平面から立体に成った、障子戸が隊員の横に立ち、多くの悪魔の腕や手、ゾンビの腕や手が障子を破って隊員に襲い掛かったのだ。

「うわっ!?」

思わず、払いのけ逃げた、その体の体重移動の流れと風力!?で体は、四角い飛行機の破損した窓ガラスに吸い込まれて行く。

「あ~アッ、助け・く・れ一」 ズボッ!?

空中に放り出された。

「・・・オ~イッ、雲海上なら、パラシュートが必要だろう・・・」

悪魔が墜ちて行く隊員に最後に吐き捨てた一言だった。

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