第11話

ゾンビは、臭覚と本能で人間に襲い掛かっていた。 中には、手を触れた所から、速く腐っていく特異な奴もいた、心臓近くや頭部にそいつに触られたら、ロシアンルーレットのように即死だった。 判別は、不可能だった。   

激しく争っている中 団体に守られている物がいた。

オフサイドや演出をするように周りのゾンビや悪魔達が退いていく。

人間の目の前に居たのは、一匹の頭にガラスの球体をかぶつた宇宙服姿の化け物だった。


「何だ、こいつ!?・・・!?」

恐さを押し殺し、動かなく成るまで発泡し続けた、刺し続けた。

抵抗は、あったものの思ったよりも軽く倒せたのだった。

おおいかぶさり宇宙服の顔部分のガラスを粉々にし、顔を潰した。


その時に成ってやっとの解った。

顔がグシャと潰れた・・・ 腐っていた・・・身体中を銃口で探ってみた・・・穴だらけ・・・!?

敵を改めて見たら、そこだけ空間が出来ていた。

「・・・・・・これは、罠だ・・・・・・みんな回避しろ、回避だ~」

その通りだった、罠だった、それも人類がまだ知らない未開拓域の最悪の細菌兵器だった。

持ち弾を消耗させ、生身の人間をジワジワといずれ死に至らしめるワクチン不能の頭脳戦闘プレイにまんまとハマっていた。

本人が知らない間に少しずつ少しずつ、痛みも無く体を蝕んでいく。

少しばかりの爆風と広がった輪の波紋で、逃げ遅れた人間にも多くの被害者が出て亡くなってしまっていた。 

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