第10話
《 暗く成って、不利と判断 》 撤退してかなりの時間が経っているように感じられていた。
そう、この瞬間が<嵐の前の静けさ>なのだろうか。
また、いつ戦争が起きるのか誰もが不安感を持っていた。
人の気配がないように見える高層ビル群に明かりがついているのが、心の奥底に恐さを生んだ。
「・・・・・・何でこんなに静かなんだ・・・・・・気味が悪い・・・・・・何で襲って来ない!?・・・・・・」
初夏の朝は、明るく成るのが早かった。
太陽が人間に<働き蜂>をせかし起こすように火時計を昇らす。
交替で見張りをしていた高見澤 守(24)が望遠鏡を目から投げるように外して赤い緊急ボタンを押した。
「敵が来た~っ」
「アアアー」 ダダダダッ、
機関銃を撃ち続けた。
「・・・何だ、こいつら~・・・!? サングラス!?・・・・・・」 ( まぶしさに弱いのか!? )
「・・・サングラスを撃てー・・・」
顔辺りにマトを絞った。
粉砕して落ち溶けていく。
サングラスが外されていく。
「ナニ~、目がないっ、悪魔の目が失明している・・・!?」
ドッカ~ン、ドッカ~ン、突然コンクリートの地面に穴が開いた。
しかもランダムに開き、下からゾンビや寸法の違う黒球・赤球・水晶球が多数 出て来た。
ゾンビが硬いコンクリートをバズーカ砲で爆破させ、地上に出て来たのだった。
「ハ~イ、お待たせ」
右肩にかついだバズーカ砲を人間側に方向を変えて撃って進んで来たのだった。
つまり怪物達は、目が無く、そして高度な知能を持ち、進化していたのだった。
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