極道 4

6月16日

夕方

母から私の昼の会社に電話が入る

父の様子が…おかしい…と


私は早退をして父の病院へ向かった


病室に入ると父のベッドの回りはカーテンが閉められていて父の姿は見えない


いつもカーテン全開でベッドに座っている父だったが…今は見えない


始めての光景だった


中に入りカーテンの隙間から見る

酸素マスクをして寝ている父の姿が目に入った


中には母が居た

泣いていた…


母は

「昼間までは病室のみんなを笑わせたり新聞を読んだりして居たんだけど…夕方頃から虚ろになり意識がなくなってきた…」

と…言う


父は目を開けてこっちを見ている

私は父の側に行き声を掛ける

「どうした?大丈夫?」


…が…

父は返事をしない…


「ねぇ!大丈夫!?」


また 声を掛けるが

父は…返事をしない…


だけど目だけは私を見つめていた


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