運命 9

諦めた私は父と地元の繁華街へ

日曜の午前中とあってか

余り人がいない

朝で良かったのかも


服屋に入り赤茶色の背広を即決した父

チョット派手じゃ?

とアドバイスして見たが私の意見など聞く筈もない


5分足らずで買い物終了

が…買い物のあいだ中

服屋の店長がニヤニヤしている


はい!はい!

わかってますとも!

覚悟はしてましたから


ヤクザとその愛人

に間違われてるね


店内の鏡にうつる父と私を見る…

韓国マフィアもどきと茶髪の若い女

よそよそしい会話しかしない2人…

仕方ないか


買い物も終了して役目を終えた私

早く家に帰りたい


と 父

「あんみつが食いてぇ」

甘味処を指差す

もちろん強制連行される私


父はお酒が一滴も呑めず大の甘党なのです

ってかシャブ中で大酒呑みだったら家族はたまらない


甘味処に入り「あんみつ」と

「トコロテン」を注文

案の定あんみつは私の前に…

無言で交換する父


美味そうに食べてんじゃん…


あんみつを黙々と食べる父を見る私…


すると

突然私の心の中に何かがよぎった

その瞬間不覚にも私の目から涙が!


それに気付く父!!

「お前どうしたんだ!」


非常にヤバイです

「お腹が…痛い…ずっと我慢してたの」

とっさにごまかす私


父「ガキじゃあるまいし腹が痛てぇ位で何泣いてるんだ!情けねぇ奴だな」


怒られた…


が…ごまかせた見たいだ

単純な性格の父で良かった


しかし 何で涙なんか

父の為に?


いや!

私が父の為に泣く筈がない



韓国マフィア見たいな格好して

あんみつナンテ女みてぇな物を

美味そうに食ってるアンタが悪いんだ


パニクって全く理由になってない


しかし何とか自分に言い聞かせる…

落ち着けぇあ・た・し


その後すぐに家に帰る私達

「こいつ腹が痛ぇ位で泣きやがったみっともねぇ」

母に告げ口する父

母が私を睨む目が恐ろしい


しかし今日は

危ねぇとこだったぜ!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る