運命 8

5月に入り夏用の背広が欲しいと言だした父

例のオレンジ色の靴に合わせて茶系のジャケットが欲しいみたいだ


父 …夏用は無駄になるかもよ…


(イエナイ)


と…母が私を見てる

あの目は「お前も一緒に行け!」と言ってるな

私は目をそらし 何気に2階へ避難しようとする…が…


母が追い討ちをかける

「あんたも一緒に行って選んであげなさい!」


やっぱり…


それを聞いた父も

「おう!ちび!一緒に行くか!」


えぇ~

行きたくなぁぁい


しかし ここで行かなかったら後で母に何を言われるかわからない

何の為に同居したんだとか絶対言われる…


母も誘ってみる私

「あたしは今日掃除とか忙しいから行かない」


汚ねぇ~


父「よし!じゃちび行くぞ」


ハア…

行くのかい…

気が重い…


あっ!!てかさ父と2人で買い物なんて生まれて始めてだ!父と出かけた記憶がない

いつもは家族の誰かや若い衆が必ず側にいたし


ナンテ事考えてる場合じゃない

父は既に支度を終えて私を待ってる

仕方ない…もう行くしかない


父は 中折れの帽子に

アイボリーのスーツと白いメッシュの靴

ポケットチーフとお揃いのシルクのマフラーを巻いている…



…韓国のマフィア見たい…


ってか 私は朝からコイツとこの韓国マフィアと歩くのか?



(シクシク)


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