母の陰謀 4
夜逃げしてから3ヶ月…
私達は住所の移転手続きをしました
父の情報は次男や知人などから多少耳に入ってきました
最初はやはり家が売却されていた事に逆上し
長女や次男、知人宅などに怒鳴り込みをかけたらしいのですが…ほとぼりが冷めると何も言って来なくなったそうです
調べる気ならアパートの場所はすぐに判るはず…
…もう…
すでに調べているかも…
しかし父は来ない…
何故?
ねぇ
もう怒ってないの?
そんな不安な毎日を過ごしていた所電話が入りました
姉からでした
内容は
前回指を詰めろなどと次男を脅した
「 I 」から電話が来て
「親父が具合が悪く危ない状態 病院に行く様に勧めたが断固拒否してる 姐さんや嬢に会いたがってるので行ってやってくれ」
的な事を言ってるみたいでした…
あのイザコザ以来 次男は
「 I 」とは会っていませんが 父とは組で顔を合わせる機会も多くまた付き合い出していた様です…
でも…なんか…怪しくない?
私達は姉夫婦、次男と近くのレストランで待ち合わせて相談をしました
行くべきか?
シカトするか?
多分これは罠!
行った所で父が暴れ出すか…
もしかしたら父は居なくて
「 I 」 の陰謀で前回の仕返しに私達に何かするのでは…?
などと…よからぬ事ばかりが脳裏に浮かびまくる私達
次男もこの所 父とは全く会っていなかったので確かな情報もわからず悩んでいました
ただ…あまり具合が良くない様な事は耳にしてはいたらしい…
…が…
散々悩んだ挙句
全員で父の所に行く事に決まりました
今は亡き 愛人宅 に私達は向かいました
着くと…まず次男が1人で入って行き 私達は外で様子を見る
と…すぐに次男が出て来て親指を立てて
「中に入れ」
の合図!
あぁ~
3ヶ月ぶりの父とのご対面だぁ…
私の心臓はバクバク!
ドキドキ!
ドキドキ!
私達が中に入ると…
…
ありゃ?
片手を挙げて
「おぅ 久しぶりだな」
と…
満面の笑顔の元気丸出しの父が…
やっぱね
騙された …
ねえ ねえ
何処が死にそうなの?
ってか まだ心臓バクバクで こっちが死にそうだっっーの!!
テーブルの上には
生ハムや寿司などが置いてあり いかにも用意して待っていたのがバレバレだしっ…
ハッ!!!
まさか…料理に毒でももってるんじゃ…
やり兼ねぇ…
私達が
「具合は!?」
と聞くと父は
「風邪ひいて熱出て3日間位食べれなかったんだ そしたら
「 I 」 が心配して勝手に連絡しやがった…」
はぁ?いつも覚醒剤打つと3日間位寝たり食べたりしなくても平気な癖に
しかし…
夜逃げ所か家まで売却してしまったと言うのに
全く怒ってない父に拍子抜けしてしまいました
私達がここに来るまで疑っていたとは思ってないようで
私達が心配して飛んで来てくれたと勘違いをし 笑みを浮かべながらお茶をすすってる父を見て
父も年をとったんだなぁ…
と感じた瞬間でもありました
父は
「家の事は驚いたがもう怒っていない!お前の物だからどうしようが勝手だ」
と母に言う
しかし…
ただ年をとっただけで こんなにおとなしくなるものか?
おかしい…?
絶対何か企んでいるに違いない…
それとも覚醒剤打ち過ぎてハイになってるのか?
素直でない私はこの時まだ疑いの目を父に向けていました
そして話は…
長男の事に
「もうじき あいつ出所だな…」
の 父の言葉に…
忘れてた…こんなテレビドラマのような
一家団欒の真似事をしてる場合じゃなかったわ…
もうすぐ
━ あいつが 帰ってくる ━
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